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サン・クロレラ クラシック 2011
大会2勝目を狙う、石川遼
ジャンボ尾崎の鶴の一声で、きゅうきょ取りかかった「スイングの解体」作業も、先週は金庚泰(キムキョンテ)に敗れた最終日から翌日の月、火、水曜日と、あれからさらに3日が経って「日に日に良くなってきている」。
ジャンボのアドバイスをまず一番に意識しつつ「もともとの自分のリズムやタイミング、体重移動の仕方や足の動かし方、トップの間合いの取り方などを大切に、スイングに取り入れていくように、心がけています」と、新旧をうまく噛み合わせながら、ニュースイングを構築中だ。
「今までのコンパクトなトップだと、上体の力がある程度ないと、飛距離が出せない。レイドオフのスイングは、今はもう忘れるくらい、まったくやっていない」と、昨年末からついこないだまで取り組んでいたスイングが、いかに勘違いだったかということも、日に日に明るみになってつくづくと思うことは、「ジャンボさんに指摘してもらって本当に助かった。言ってもらえなかったら、この先どんどん深みにはまってたかも」と、改めて感謝の思いを深くした。
この日水曜日のプロアマ戦は、昨年2010年にノーベル化学賞を受賞した根岸英一さん(=写真右)とチームを組んだ。
根岸さんは、「遼クンは、ゴルフも人柄もほとんど完璧。チームとして良いスコア出そうというのもありますが、それ以上に私たちに思いやりがあって。半年くらいクラブを握っておらず、どこに球が行くか分からない私にも優しく接してくださった」と、30歳のころは、シングルプレーヤーだったという博士も19歳をべた褒めした。
また「科学者でもスポーツ選手でも、世界に出て競争することが絶対に大切。遼クンも4つのメジャーのうちひとつでも2つでも獲れたら、若いゴルファーへの刺激はすごいものになる。遼クンには期待しています」との力強いエールも。
やはり、世界で活躍する人生の大先輩からの親身なアドバイスにも感謝を寄せつつ、今はただ、新しいスイングを完成させることしか頭にない。2009年大会も、そうだった。「ドライバーで、真っ直ぐ打てればと、ただそれだけを考えてプレーした」というが、今思えばそれもすべては「優勝したいとか、トップに追いつきたいとか。自然と意識してしまいそうな所を、スイングのことを考えて塗りつぶそうとしていた」。
スイングに集中することで、19歳にしてすでに9勝を勝ち取ってきた道のりを振り返るにつけて、「そういうやり方のほうが、僕には合っている」。
それこそが、19歳の勝ちパターン。
石川が今季初、またここ小樽で2年ぶりに微笑むか。