ベテランが、照れくさそうに出ていった。スタートの1番ティでスタートアナの宮本ムサシさんに、「おめでとうございます」と送り出されて、「そういうのはいいんだ、ってば！！」。お祝いムードの中で、疲れた体にムチ打った。「昨日は強い風の中のゴルフをして、今朝も体調が戻りきらずに足がフワフワしている」。47歳の誕生日も、ほろ苦い。

「クラブのスイングスピードも落ちて、距離も飛ばずに、そういう部分のジャッジで今日もいつも以上に頭を使ってゴルフをした」とぐったりと、「その中で3つ伸ばせた」と、14番では前日に続いてこの日も12ヤードのチップインバーディを奪うなど、及第点のバースデーだ。

昨年の今日は、別の大会だったが誕生日の当日は、スタートの15分前に、右肘痛のために欠場してマネージャーの吉岡さんと、“やけ食い”ならぬ“やけカラオケ”。「1時間390円のところで1時間半。マネージャーが歌うのを、僕はひたすら聞いていた」。せつない思い出。2人で寂しく過ごした日を思えば、ここまで戦えるようになって、戻ってこられたことも、嬉しい今年の誕生日だ。

家族には、一足早く先週の日曜日にお祝いをしてもらった。愛娘からもらった手作りのボールマーカーがお守りだ。
今大会終了後には、出場優先順位の今年最後の組み替えとなる「フォールシャッフル」も行われ、対象の一人である深堀にとっても、大事な一戦。「狙って勝てるような状態ではないですが、いつか壁を破れる日が来るように」。家族の応援を力に、週末こそ最高のバースデーウィークを迎えたい。

• 深堀 圭一郎