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レオパレス21ミャンマーオープン 2018
石川遼が考える、選手会長としてまず一番大事な資質とは
自身初めて来るミャンマー。初年度の一昨年から、会場が変わって2年目のパンラインゴルフクラブももちろん石川には初めて回るコースである。
本戦の25日までに、出来るだけホールをこなしておきたいのに、朝から足止めを食った新選手会長は「(準備に)あと2日くらい欲しいな・・・」。小さな独り言に、本音がこぼれた。
最初午前11時から、40分程度で済む予定だった公式インタビュー関連は結局、すべてこなすのに1時間20分もかかった。
日本を代表するスター選手として呼ばれた石川に質問が集まり、ミャンマーでもその認知度は絶大でも、地元ファンに向けて、その素顔と全貌を明らかにしたい地元メディアからのQ&Aは「My name is・・・」から始まる自己紹介から始めるように頼まれた。
おまけに各国メディアに向けて、日本語と英語とミャンマー語の通訳を挟むために1問に3倍、4倍の時間がかかった。
長い長い公式会見がやっと終わったと思ったら、あっという間に地元のテレビ局に囲まれて、またいちから自己紹介。
そのあとまた場所を変えて18番のグリーンサイドでのぞんだ記念撮影会が済んでも、今度はそばで待ち構えていた海外メディアにつかまった。
「先週のシンガポールは雨で何度もプレーが止まったのですが、ミャンマーは天気が素晴らしいですね」と今は乾期のコンディションは最高でも、容赦なく降り注ぐ強い日差しの下で笑顔を絶やさず、最初から最後まで流ちょうな英語で質疑応答をこなした。
地元メディアのカメラには、「ミャンマーに着いてまだ2日目。まだどこも見れてませんが、時間があるときにぜひ観光で町を歩いてみたい」と応えた。
公式会見では一昨年の覇者のノリスと昨年のシノット、またミャンマー出身のナイン・ナイン・リンとエ・テト・アウンと席を並べて「まだコースには出られていないのですが、今日明日とグリーンのスピードなど合わせていけるようにしっかり確認してここにいる5人で優勝争いをすれば、きっと盛り上がる。その中でぜひ、自分が優勝できるように頑張りたいと思います」。
今季2戦目にして行動や言葉の端々に、その自覚がみなぎっている。
「選手会長として、ゴルフ界に貢献したい気持ちが強い。そのためにゴルフのプレーでも、ファンを魅了することも、大きな役目のひとつと思っている」。
昨季まで5シーズンを戦った米ツアーから持ち帰った不振が完全に払拭されたわけではない。それでもその信念で、中断と再開を繰り返した先週のシンガポールでも、2日目を終わって首位に立つなど盛り上げた。
「でも結局16位に終わって悔しい思いをしたので。今週もチャンスがあれば、頑張りたい」。
午後からようやくコースに出られても、そのあとJGTO会長の青木功と今後の方針について膝をつき合わせたり、夜7時からの前夜祭でも、選手会長としてマイクを握ったり、初めてのミャンマーは着いた早々から超多忙を極めるが「選手会長として、選手のみなさんにお話しするときにも、成績が大事だと思っていますので」。
選手間の意見をとりまとめるリーダーとして説得力を持たせるためにもまずはいち選手として、完全復活することが先決と、強い使命感を持って挑む2戦目だ。