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もはや独壇場! 石川遼は今年も・・・

長く日本を留守にしても、絶大な人気はやはり相変わらずだ。MIP賞はもはや、石川の代名詞といってもいい。正式名称は「Most Impressive Player賞」。つまり、今年もっとも印象に残った選手に贈られる賞は、ゴルフファンのみなさんの投票で決まる。数ある部門別ランキングの中でも、唯一、ファンのみなさんに選出いただく賞であり、プレーヤーにとっても非常に気になるランキングであるが、もはや独壇場だ。

史上最年少の15歳でツアー初制覇を果たした2007年から数えて、早8年連続の受賞も、今年は石川にとって、ちょっぴりほろ苦い1年となった。
同学年ながら、米ツアーでの戦歴は石川のほうが先輩でも、ライバルの松山英樹に、初優勝では先を越された。

トップランカーたちにまみれながら、共に本場の舞台でしのぎを削る中で、気付かされた。
かつては、自身の専売特許だったはずの、底なしの“向上心”。
「でも、米ツアーで生き残っていくために、それが二の次になり、予選通過のためのゴルフになっていた」。

それにひきかえ、とことん貪欲に、自分の技術を磨くためだけにひたすら心血を注ぎ続ける松山の姿。先を越されても、悔しいというより当然の結果だと、冷静に受け止める自分がいた。

そして決断した7月の緊急帰国だ。メジャーの予選会をかねていた米3戦を蹴ってまで、石川が励行した日本での緊急合宿は、その最中のツアー通算11勝目だった。

憧れのミスターに、やっと優勝で報いた嬉しさ。「長嶋茂雄INVITATIONALセガサミーカップ」は、目下賞金レースの1位を走っていた孔明とのプレーオフ3試合を制したことも、石川には再渡米への何よりの土産となった。

この1勝をきっかけに、生来の向上心を取り戻した石川は、11月に再び帰国し、疲れを癒やす間もなく「実戦の中でしか得られないものがある」と、国内5連戦に挑むのだ。

そして今季国内最終戦の「ゴルフ日本シリーズJTカップ」が終わるなり、今度は沖縄での長期合宿に入った。
徹底した下半身強化のトレーニングと、技術のさらなる向上を目指したキャンプでさっそく、逞しさも増した。再び主戦場に舞い戻る前の急ピッチの調整が続いている。
「まだまだ練習して、努力して英樹に追いつく。アメリカで勝つ」。日本でも大勢のファンがその朗報を、首を長くして待っている。

※8年連続8度目のMIP賞に輝いた石川には8日月曜日にパレスホテル東京で行われたジャパンゴルフツアー表彰式で記念のトロフィと、森ビル株式会社の辻慎吾・代表取締役社長より賞金30万円が贈られました。またファンのみなさまには当ホームページより、MIP賞へのたくさんのご投票をありがとうございました!

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