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SMBCシンガポールオープン 2016

初ノータック! 一新の池田勇太が1アンダー

予選ラウンドは、通称赤オニ。ダレン・クラークとの初対決に「彼は今日も途中から、ぶちキレてハンパじゃなかった。俺よりも打つのが早かった」と、苦笑いだ。
従来の角刈りから一転、少し伸ばしたソフトな髪型。デビュー時から、トレードマークの3タックパンツも、イマドキのスリムパンツに履きかえて、池田が上々の滑り出しだ。
「今年の第1戦の初日としては、よく耐えた。よく頑張れた1日」と、まずは及第点を出した。バーディは、5メートルを沈めた11番と、3メートル半を決めた16番の2つだけと、内容的にはおとなしめだが、「ここのグリーンはクセのある目と、程よく利いた傾斜。むしろ、もっとキツい傾斜のほうが、分かりやすいくらい」と、微妙なアンジュレーションゆえに難解なグリーンは、スタートの10番を皮切りに、「5,6個は外した」と、絶好のチャンスを逃した悔しさをさておいても、今日の自分を褒めたいのは、きわどいパーパットをしのいだ場面。

6番は、ドライバーで打ったティショットを椰子の木にぶつけた。跳ね返って後ろに戻ってきた2打目は、ラフから目の前の木が邪魔で、グリーンの左手前に刻むしかなかった。50ヤードのアプローチは寄せきれず、3メートルが残った。
「今日はこういう渋い場面で、決められた」。
通算1アンダーのまま、こらえて上がってきた。

昨年まで3期目の選手会長から離れて、新たな気持ちで迎えた今年だ。
「・・・大好きな“あぶない刑事”も終わっちゃったしね」。タカとユージも還暦を迎えた。こよなく愛した昭和の名画もいよいよシーズン最終章が終了して、池田にも心境の変化があった。

ジャンボ尾崎に憧れて、昭和の匂いがするものに、強く焦がれた時期もあったが先月は12月22日にいよいよ30歳の誕生日を迎えて「俺も若返りを計ることにした」。
新星・勇太は、シンガポールがまず最初のお披露目の地。
「まずはこの第1戦で今年の課題を見つけることも大切。そしてそれを克服していけるように。また明日に向けて、しっかり練習して備える」。
狙うは、初のノータックVだ。

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