先輩のレジェンドばかりに任せっきりではいられない。主催者の青木功が今年、招待したのは福島県の相馬市立桜丘小学校のみんな。この日8日の最終日は、大会の発起人として特に多忙な青木に変わって、石川遼が東北の子どもたちをもてなした。
前日7日は、新選手会長の優作らが練習場でショットを教えたが、最近ようやく、アイアンのフルショットが出来るようになった状況では「今の僕には300ヤードを飛ばせといっても出来ないので」。石川は、パッティングを担当した。
「実はゴルフって、パットが一番、ゴルフらしいので」。その楽しさを子どもたちにあますところなく伝えたいとその点では苦心した。最初は、ここ千葉県の麻倉ゴルフ倶楽部のグリーンキーパーさんは、奇しくも同姓の石川さんにお願いして、カップ切りの実演から見学させてもらった。
「ゴルフって、こういう方たちがいて、初めて出来る。ありがとうって気持ちも持ってもらいたかった」と真剣な表情で、子どもたちと一緒にキーパーさんのお話に聞き入った。
構え方や、ラインの読み方など、一通りパットのコツを伝授したあとは、「本能だけで、楽しくやってもらえれば」。はじめはモジモジしていた子も次第に打ち解け、パットコンテストで“ホールインワン”を達成するお友達も続々!
見る間に上達していく様子に目を細めて、「みんな上手くなるのが早いね」と喜んだ。
腰痛の治療のため、主戦場の米ツアーを離脱中の石川に、大会の2週間ほど前に連絡をくれたのは青木夫人のチエさんだった。「もしそういう機会があれば出来ますか、と聞かれてぜひ、やらせて下さい、と。自分にも出来ることがあるならやりたいと思った。協力させていただけることが、ありがたい」。
福島の子たちに「また会おうね」と手を振ると、今度は熊本地震のチャリティサイン会で、せっせとペンを走らせた。