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大会2日目はサスペンデッド、松山英樹が猛チャージ(全英オープン)
当初14時34分のスタートが、松山の組は17時48分までずれ込み、日照時間の違いはあるが、最終組のスタートに至っては、19時27分と日本では考えられない状況に加えて、早朝の雨こそ上がって聖地には陽がさしたが強い風は相変わらず。
「いや、日本でもこのくらいの風は、みな経験がある」とはベテランの藤田。「でも僕らはこの土壌、地面の硬さ、またハザードの効き方の中では、やったことがない」。乾いた風にさらされて、かちこちのリンクスコースは、フェアウェイの各所に深く口を開けて待つポットバンカーや、ゴルフの総本山R&Aが配した厳しいピン位置などいくつもの難条件が重なり合って、この日も選手たちを苦しめた。
「僕らはまず、この環境に慣れていない」(藤田)。
日本勢がリンクスコースで次々と倒れ込む中で、米ツアー1勝の怪物が覚醒した。前日初日はグリーン上で苦しんだ選手とは、別人だった。
松山は夕方の1番ティからエンジン全開だった。猛攻は、いきなり始まった。ピン右手前から2メートルのバーディチャンスを沈めると、2番では左奥6メートルをねじ込んだ。3番はピン奥3メートル。4番では165ヤードから打って、奥にこぼした3打目は、約7ヤードでパターを握り、4連続バーディを奪ってみせた。
メジャー制覇を狙う世界ランク14位の執念はその後も衰えずに、9番ではこの日6つめのバーディで、この時点で同組のリーダーとは4打差。
暫定首位のダスティン・ジョンソンにも、メジャー3連勝を狙うジョーダン・スピースにも負けじと、松山がリーダーボードに名前を載せた。
10番では、140ヤードの2打目をグリーン手前の窪地にこぼしたが、これまた外から10ヤードをパターでキメる。12番の連続ボギーで一歩後退も、長かった1日をしっかりとバーディで締めた。
21時40分。日没によるサスペンデッドの合図が聖地に鳴り響いたのは、松山が14番で1メートルのバーディチャンスにつけた直後だ。ほかの2人はその時点でプレーをやめてしまったが、一人だけ競技を続けた松山は、ひとつ取り返して通算6アンダーは、暫10位タイできりよく残り4ホールを翌朝に持ち越した。
第2ラウンドの続きは、現地時間の18日土曜日の朝7時からまた始まる予定だ。
日本勢の中では、松山の大学のひとつ先輩の富村真治が、通算1オーバーで3ホールを残しており、予選通過の期待がかかる。
なお、続く第3ラウンドは、通常2サムでラウンドするところを今回は1組3人の組み合わせに変更して行われる予定という。