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ゴルフ日本シリーズJTカップ 2004
それぞれの思いを胸に…ゴルフ日本シリーズJTカップは2日(木)いよいよティオフ
それぞれの思いを胸に、いよいよ2日(木)に本番を迎える。
“初出場組”の中で、最上位のY・E・ヤンは、現在賞金ランク3位。もし、ヤンがこの大会で優勝し、かつ現在賞金ランク1位の片山が23位以下に終われば、ヤンが逆転・賞金王に輝く。
「可能性が薄すぎますよ」と、いったんは笑い飛ばしたが、負けず嫌いは人一倍だ。今年9月の日韓対抗戦ではプレーオフの末に、母国を勝利に導いた。ヤンの土壇場の勝負強さには目を見張るものがある。
「…とにかく、ベストは尽くします」と、気合を入れた。
6月のJCBクラシック仙台でのツアー初優勝で、今大会への初切符を手に入れた神山隆志は、浮かれていない。
「これがスタートライン、と思っていますから」。
昨年のいまごろは、来季の出場権をかけた予選会・ファイナルQTの会場にいた。「あれから思えば、今年は天国と地獄」。ようやく、ここまでのし上がってこられた喜びはもちろんあるが、初出場を果たした今シーズンをきっかけに、毎年、この大会に出場できる選手になることこそ大切だ、と実感している。
自分に引き換え、日大同期の片山晋呉、宮本勝昌は今年、7年連続7度目の出場を果たすのだ。
気温がグっと冷え込む今週は、持病の首痛の再発が気にかかるが、「できるだけ早く彼らと肩を並べたいから」。将来をしっかりと見据えつつ、翌初日の1番ティに立つつもりだ。
谷口拓也が7月のアイフルカップで初出場をあげたとき、東北福祉大の先輩・谷原秀人は米ツアーに参戦中で留守だった。
そして今週もまた、谷原は来季米ツアーの出場権をかけた予選会に挑戦中で、日本にいない。
「…先輩のいぬまに今週、“7000円差”で抜いちゃおうかな、なんて」。
現在、谷口は賞金ランク19位。もしこの頂上決戦に勝って優勝賞金3000万円を上乗せすれば、現在同ランク5位の谷原の獲得賞金を、7000円差つけて上回ることができるのだ。
「今週は“7000円”で打倒・先輩をテーマに(笑)、エンジョイするつもり」と、翌木曜日の本番を心待ちにしている。
5月のマンシングウェアオープンKSBカップで初優勝をあげた三橋達也は、今週会場のここ東京よみうりカントリークラブに実際に来て見るまでは、この大会に出場できることの「すごさ」がイメージできなかった。
「でも、コースに来てみたらほんとうに26人しか選手がいなくて…。ああ、ほんとうに今年ツアーを盛り上げた人だけが出てるんだ、この試合への出場は、1年間がんばったことへのご褒美なんだ…と実感できたんです」。
本番を前に、三橋にはまるで、ゴルフを始めたころのような新鮮な気持ちが沸いてきている。
「今年はこれまでにも十分、楽しませてもらってきたけど、最後の最後にまだこんな楽しいことが残ってた。明日からは『ミスも勉強』というような純粋な気持ちで、コースに立ちたい」と、目を輝かせた。
10月のABCチャンピオンシップで、仲間の胴上げによって左肋骨を骨折し、2週間の戦線離脱を余儀なくされていた井上信は、なんとか憧れのこの大会に間に合った。
先週まで患部が痛んでショットにも多少の影響が出ていたが、懸命の治療のおかげで「今週は、多分だいじょうぶです」。
テレビでしか見ることはない、と思いこんでいたあこがれの大会へ無事、初出場を果たし「この試合は予選落ちがないだけに、明日から恥をかかないよう、精一杯プレーします」と初々しく語った。