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長嶋茂雄INVITATIONAL セガサミーカップゴルフトーナメント 2015
今年の新顔! 古田幸希(ふるたこうき)が4位タイで決勝へ
それを思うと「今日はアンダーパーで回れたので」。鬼門の日に、鬼門のホールで、バーディを奪えたことが嬉しかった。16番は、浮島のパー3。「僕の中では怖くて。池にさえ入らなきゃいい、と」。保険をかけて、パンチショットで打ったティショットが2メートルについた。難関ホールでバーディを奪い、スコアを伸ばせたことが、今季本格参戦の新顔には満足だった。
昨年のファイナルQTランク24位の資格で出場権を得た今季、主戦場のチャレンジトーナメントで気づいたことがある。さらなるレベルアップを目指していろいろと取り組むのはいいが、「自分に出来ないことに一生懸命になりすぎて、目の前のことに集中できていないのでは?」。
片山晋呉や藤本佳則ら、蒼々たる先輩プロにも指摘をされる中で、もっとも古田の胸に響いたのは、ご両親の言葉。「上ばっかり見過ぎて、もともと持っていた力を出し切れていない」。普段から、一番そばで見守ってくれる人の声には説得力があった。
「プレーが硬くなっているのが見ていても分かる」と言われて、背伸びをやめた。
今週も、応援に駆けつけてくれた両親の前で、4位タイでの決勝ラウンド進出は、何よりの親孝行になった。
今週、バッグを担いでくれるのは、東北福祉大の同級生。神田七保海さんと、初出場の今大会でも「楽しくやれている」と、伸び伸びプレー。青森県の山田高校時代は、ひとつ上の石川遼のハニカミ王子にちなんで、ぽっちゃり王子と呼ばれた。大学時代は松山英樹のあとを受け継ぎ、キャプテンとして活躍。今週の千歳市内のホテルは、全日本大学対抗戦時の定宿でもあり、「なつかしさを感じながら頑張っています」。
この日3位につけた今平周吾はナショナルチームでしのぎを削った仲だが、昨季のチャレンジトーナメントで“賞金王”に輝いた同級生は、「今年1年目の僕にとっては、上の存在。目標ですね」と謙虚に、ライバルの背中も追いかけていく。元野球少年はもちろん、ミスターの大ファンでもあり、最終日も待ち遠しくてたまらない。