記事
ゴルフ日本シリーズJTカップ 2015
昨年の賞金王はとうとう未勝利に終わる
ことごとく、しのぐ状況では今週、絶好調の石川をとうてい捕まえられるわけもなかった。
16番では、2打目にピンの根元を捉えるバーディパットも、17番のパー5では、左のラフから2メートルに乗せた絶好のイーグルパットも外した。チャンスもことごとく逃す状況では、24歳の背中も遠かった。
「16か、17番。どちらかを決められていれば今年も終わった〜って感じになるけど。あれを外すとキツいよね」。どこまでも、心残りの2015年になってしまった。
今年は大会2勝目をかけたANAオープンでも、石川と最終日最終組で回って大敗を喫し、さらにさかのぼれば昨年はセガサミーカップでも、最終日最終組はプレーオフの末に負けている。
ことごとく立ちはだかる若い壁。昨年の賞金王として、今年のシーズン最終戦は、最後の最後に訪れた今季初Vのチャンスは、悲願の日本初タイトルもまた、石川に持っていかれて「日本プロも、日本オープンも、日本シリーズも2位ばっか。来年は、日本ゴルフツアー選手権でも2位かな」と、ため息交じりの苦笑いだ。
石川への苦手意識を抱えたままの年越しも本意ではないが「遼はいいゴルフをしていた。よく飛んでたし、あのままアメリカでもやって欲しい」と敗れても、再び主戦場に舞い戻る後輩を、せめて快く送り出す。
「俺はまあ、今のトレーニングを続けて来年の開幕にむけて、頑張るだけ」。10月の日本オープンで、同じ組で回ったアダム・スコットの置き土産を引き続き、黙々と続けて来季に備えるしか今はこの悔しさも、吐き出すすべを知らない孔明だ。