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倉本昌弘が獲得賞金10億円を突破
しかし本人は、「今は時代が違うし、比較にならない」と素っ気ない。
確かに、いまだ現役を宣言する72歳の杉原輝雄は通算28勝をあげながら6億3318万8689円で同ランク28位にとどまっているのは、「杉原さんの時代は優勝賞金100万円っていう時もあったから」。
今のツアーに置き換えて換算すれば「杉原さんこそ、もっと上のランクにいてもいいはず」との本人の言い分をもってすれば、かくいう倉本自身もまたしかりだ。
ツアー通算29勝の永久シード選手が4位の片山晋呉、5位の谷口徹のはるか上にいても、おかしくはない。
アマチュアながら、プロのトーナメントで優勝した石川遼の27年も前に、その快挙を達成していたのが倉本だ。
25歳の80年、中四国オープンで並み居るプロを押しのけてツアー初優勝をあげて、鳴り物入りでプロ転向を果たして以来、数々の金字塔を打ち立ててきた。
2003年には命の危険もあった心臓病を乗り越えて、世界タイ記録となる59ストロークをマークして優勝を飾っている。
53歳を迎えた今はジュニア育成にも全力を注ぐ地元・広島市の全小学校に、スナッグゴルフの寄贈計画をぶち上げる。
今季も米シニアのチャンピオンズツアーとの掛け持ち参戦を計画していたが、新型インフルエンザの広がりを警戒して、当面は腰を据えるつもりの日本ツアーで存在感が光る。
先週の最終日は、第1組の5時30分にスタート。早朝からほとんどぶっ続けで1日36ホールの長丁場を難なくこなしたばかりか、通算3オーバーの29位と伸び悩んだ自分を叱咤した。
「今日のコンディションならアンダーパーで、もっと上にも行けたはず。次は、もっと上で争いたい」と、執念を燃やしている。
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