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長嶋茂雄 INVITATIONAL セガサミーカップ 2014
石川遼は国内3戦目
2年目の米ツアーは、そこで生き残っていくことの厳しさをいやというほど味わい、「まずはシード権を獲ることに重点を置いて、今の技術でやりくりしていこうというゴルフになっていた。目先のための練習になっていた」。
まずは予選通過を目指し、ひたすら試合をこなしていくという毎日に、本来の持ち味はどこかに影をひそめて、「ショットが悪くても、アプローチやパットでどうにかしていくようなゴルフ」。しかし、それではトップ20位内か、あわよくばトップ10に入るゴルフはできても「アメリカで勝つことは出来ない。通用しない」。
忸怩たる毎日の中で、そのことを改めて痛感させられたのが、ライバルの活躍だった。
今年、戦線に加わった松山英樹と自分との違い。
それは「向上心」。たとえば松山との練習ラウンドでも、「僕は、グリーンの形状をメモに書き込むとか」。コースの下調べに時間を割く石川に対して「英樹はそういうのは全部、キャディに任せて、自分の技術を磨くことに徹している姿。自分とは、そこが大きく違っていた」。
それだけに、先の松山の初優勝も「驚きより、悔しさより、同い年で、同じ日本人としての嬉しさと誇りのほうが、上回った」と石川は言う。
吹っ切れた。「自分のやるべきことがはっきり見えた」。この時期はアメリカにとどまって来月の全英オープンの出場権を目指す手もあったが、「それもあえて来季を見据えて照準を合わせることにした」と、決意の帰国。
この日2日目のプロアマ戦は、すでに7日目の北海道である。きゅうきょここで合宿を張ることを決めて“チーム遼”の面々で、朝9時から夜の7時まで、「みな黙々と球を打つ」。夜は互いに、課題と成果を持ち寄り、遅くまでミーティング。「9時10時までやって、それから体のケアをして・・・。毎日5時間睡眠。けっこういま疲労が来てて、幸運なことに、明日(初日)は午後(13時)スタート」と、笑った。
「アメリカではショットが悪くても、勝てるのはスイング改造中のタイガーくらい。英樹も含めてやはり、活躍する選手に共通しているのはショット力(りょく)。曲げないティショットとピンを刺すアイアンショット。それが大前提になる」と、石川は言う。
「試合に出続けていると、やはりスイングにズレが出てくる。今まではそこまで余裕がなくて、出来るのはただの微調整くらいで、手先でやるゴルフになっていたけど、一度時間をとって、じっくりと取り組もうと」。立て直しのための時間を設けたというこれからの1ヶ月。「ここが、自分の勝負だと。来季を見据えて、追い込もうか、と。今は非常に大事な時期だと気合いを入れてやっている」。
その中で、迎える今季自身の国内第3戦。相性の良いザ・ノースカントリーゴルフクラブは、「違和感なく戦える」という洋芝のコースであることも、今の石川にはもってこいの舞台で「今週は1打1打、果たして今のショットは正解で通用するかということを、考えながらやりたい。今週も英樹は間違いなく主役になる。その中で自分は上で戦うことだけ考えてやれば、盛り上がっていくと思う。みなさんの期待に応えられれば」。
今季国内初の揃い踏みではライバルとの直接対決も視野に、今の自分と正面から向き合うつもりだ。