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ヨンピョンバーチヒルズ日韓男子対抗戦初日第8マッチの深堀 圭一郎VS 姜 旭淳(Kang,Wook Soon)組は1アップで深堀の勝利
第2打を、左のバンカーに打ち込んだ深堀の緊張が、にわかに高まった。
グリーン横の速報ボード。他のマッチはすべて終了し、チームスコアは4勝5敗の8ポイント。
初日の結果は、自分のマッチ次第という状態だったのだ。
少し高台になったグリーンサイドには、プレーを見守る日本代表メンバーたちの心配そうな表情。
途端に、激しいプレッシャーが襲ってきたが、そんなそぶりは微塵も見せない。
「相手にチャンスがある、と思わせたらダメだと思った。こっちが有利なんだ、と思わせるようにしようと思った」
バンカーからのアプローチは寄せきれず、3メートルのバーディも外して、パーに終わったが、相手の姜 旭淳(Kang,Wook Soon)もアプローチに失敗してパー。1アップを死守して仲間からの大喝采を浴びた深堀。
相手にポイントを先攻される苦しい展開の中、9番でようやく1アップに成功したとき、ふいに思い当たった。
「今回のメンバーの中で、2番目の“長老”が僕」
チーム最年長の室田淳(48歳)のほかは若手中心のメンバー構成の中で、35歳の深堀はその2番目。
「いきなり、“絶対に負けられない”という責任感が出てきた」という。
「ぜひ自分が勝って大会を盛り上げたい」というプレッシャーは、以前、丸山が言っていたことを思い起こすことで振り払った。
「マッチプレーに勝つ秘訣は、絶対にボギーを打たないこと」。この言葉を忠実に守って、やってきた最終ホール。
「勝ってこんなに喜んでもらったのは初めてかも・・・」。メンバーたちと交わしたかたい握手。
初日をひとまずマッチイーブンにまとめた喜びを分かち合ったとき、こわばっていた表情がようやくほころんだ。