３バーディ２ボギーの70で、２日目も確実にスコアを伸ばしても「今日は何の変哲のないゴルフ」。一見、自嘲に聞こえる言葉も、２０１３年のチャンピオンにとっては、それこそがここ宍戸で優勝争いに加わる秘訣だと知っている。

「ここはバーディがたくさん来るようなコースじゃないので。いかにボギーを打たずに済ますか」。難コースで極力安全運転も、ただこの日最後のチャンスホールでは、自慢のドライバーで振りちぎった。

「はい、あそこは振りましたね。もう首痛くなってもいいや、と。ここバーディ獲れなかったたらダメだろうと。そういう気持ちでやりました」とプラン通りに一瞬、覚醒してもそのあとはまた、別人のように宍戸のアーメンコーナーを静かに歩いてきた。

２週前の関西オープンで、痛めた首。そこから２戦欠場の復帰戦。
それまでほとんど練習も出来ず、出場さえ迷ったメジャー戦で、２日目を終えて首位と４打差。
「休み明けでこんなゴルフが出来て、嬉しいです」。
まだ若干、痛みがある分なおさら欲もかかずに「落ち着いてやれている」と精神状態もこの難コースでは、ちょうどいいバランスに。
「１日は通用しても、４日間は通用しない。このコースでは、そういう心境でやらなければいけない。マネジメントをして、うまくいくようなコースではないので」。焦らず、こつこつと積み重ねていく。

• 小平 智