3日目の習志野は風が弱まり、2日目よりは易しくなったはずだが、「前半は下りのパットにつくことが多かった」と、恐る恐るのタッチが染みつき、後半で上りのチャンスを増やしたのに打ち切れない。
最後18番も、右手前2メートルにせっかく作った好機は逃した。
「苦しかったですけど。なんとか耐えることはできた」と最後までポーカーフェイスは崩さず、この日ボギーは2打目をグリーン奥に打ちこんだ17番のひとつだけ。
11番では「グリーンの奥が下っているから、あれはマネジメント通り」と、深いラフの2打目をあえて手前に置く策で、4メートルに乗せてしぶとくパーセーブ。
一時は首位に1差と迫り、ホームを沸かせた。
「1打1打を大切にプレーしている」。
その気持が顕著に出たのが6番パー5だ。
即断即決で知られる選手が2打目で熟考。刻みを選択し、197ヤードを残すと56度で4メートルのチャンス。
7番の連続バーディへとつなげた。
2018年の「RBCヘリテージ」で米初制覇して参戦6季目。
「逆にアメリカだと注目されないので気楽にやれる」と、苦笑し「日本ではファンの方に見られているというホームならではの緊張感がある」と明かす。
まして本大会はPGAツアーでは、125位までのシード権争いの秋季シリーズに位置づけらるが、「下のほうの選手はなかなか出れない試合」。
本来はランキング183位の小平まで出場資格は降りてきていないが、「こうして推薦をいただいて出ている。嬉しいですし、是が非でもものにしたいという気持でやっています」と、恩恵を噛みしめる。
「優勝してから5年。なかなか上にはいけないが、すごくいい経験ができているし対応力や我慢のゴルフが身についたと思う。それがいま、ここで活かされているんじゃないか」。
ホーム開催で、5年ぶりの米2勝目に挑む。
「今日は緊張感の中でいいゴルフができた。明日もまた緊張すると思うが、また自信をつけてアメリカに戻りたい」。
日本のファンの前で、培ってきたものをすべて出す。