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ダンロップフェニックストーナメント 2008

矢野東「僕がツアーを面白くする!」

前週まで10試合連続トップ10入りの快挙が思わぬ形で途切れたのは、先週の三井住友VISA太平洋マスターズだ。「絶好調」と言えるほど万全の状態で迎えたのに、トップ10入りを逃すどころかまさかの予選落ち。

自宅に帰った先週末は、「ダメ人間になってました」。
親友の家に入りびたり「1日中、漫画を読んだり…。気が抜けて、ゴロゴロゴロゴロしてました」。

すっかり腑抜け状態になっていた矢野の目に飛び込んできたのは、最終日のテレビ中継だ。
片山の執念を、改めて見せつけられた。
画面を通してもそうと分るほどギラついたその目に、首位でスタートした今野康晴も「そのうちきっと片山さんに抜かれるだろうと感じた」と、矢野は言う。

果たしてその通りの展開となり、とうとうプレーオフでひっくり返した片山に「手強い相手だ、と。

なんて、あきらかにレベルが下の僕が手強いなんて失礼だけど、簡単に勝てる相手じゃない。片山さんに勝つには1打に相当、集中していかないと…」。

まして先週の優勝で、片山にはさらに水をあけられ賞金ランク2位の矢野とは4493万5343円差。
逆転には厳しい差であることは「重々承知」だ。

それでも矢野は「最後まで諦めない」と言い切った。
ツアー最終戦を待たずに自ら賞金レースに終止符を打ちたくない。

「ゴルフ日本シリーズJTカップはどう頑張っても無理、ではなくて、今週の結果でどうか…というところまでは頑張りたい」。

そのために今週月曜日は、久しぶりに山坂元一トレーナーのムチを受けた。
倒れ込むほどハードなトレーニングに「だから今日は全身筋肉痛です」。
しかしいざ本戦に突入すれば、これが徐々にほぐれて最高の状態で週末を迎えられることは、ツアー2勝目をあげた9月のANAオープンでも、すでに経験済み。

「そろそろ新しい顔を…」という周囲の大きな期待も、全身で受け止めている。
あわよくば、2年ぶり5度目の片山の賞金王を阻止できれば。
「いま、その一番手は僕だから。頑張って男子ツアーを面白くしたい」。
“最右翼”としての自覚は十分だ。

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