記事
マイナビABCチャンピオンシップゴルフトーナメント 2012
黄重坤(ハンジュンゴン)は「もう一人で何でも出来る!」
12番パー3では、あわやホールインワンだ。7番アイアンのティショットはカップを覗くように寸前で止まった。
「僕も一瞬入ったと思いました」と、本人も黒縁めがねの奥でびっくりまなこになった。
確実に池の横に刻んだ18番も、奥4メートルにつけて手堅くバーディ締め。
一方で、3番や14番では7メートルものパーパットも拾った。
ボギーなしの66で単独2位につけて、「ツアー2勝目を狙います」。
昨年のミズノオープンは、デビューからわずか8試合目にしてツアー初V。当時、10代のチャンピオンは、石川遼に次いで2人目の快挙だった。
あれから1年。
弱冠はたちを迎えた今年は、今までバッグを担いで支えてくれたお父さんが、今年序盤に早々に“引退”して、夏以降は付き添いさえなくなった。
完全なる独り立ちは同じ韓国の趙珉珪 (チョミンギュ)や、金度勲 (キムドフン)ら先輩と行動を共にすることで、もはや不安もなくなった。
生活する上で不可欠な言葉も「いまはホテルに帰って少しずつですが、日本語も勉強しています」と、日常会話くらいはこなせるようになってきた。
2週前の日本オープンでは久々にお父さんが応援に来てくれたが、それも2週で帰ってしまった。
宿や交通の手配など、もはや何でも一人でてきぱきとこなす息子。
自分の出る幕はない、と思ったそうだ。
「もう一人でなんでも出来ますから!」と、自信満々の息子の様子が父としては嬉しいやら、寂しいやら・・・。
「いつになるかは分からないけれど、今年はまたもういちど、どこかで応援に来るよ」と言い残してすごすごと韓国に帰っていった父。
初日のスコアを見て、きっとますます安心しているはずだ。