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ダンロップ・スリクソン福島オープン 2018

3年ぶりに登場。池田勇太は「福島で、以前とは違ったゴルフをお見せしたい」

何より上がりホールの出来、不出来にこだわる男は案の定、厳しい表情で上がってきた。
「それまで良かったゴルフを台無しにするような。上がり3ホールが悪すぎる」。

第1打を右OBとしながら、5メートルをしのいでボギーでおさめた16番はまだ許されるとしても、「短いのを外した17番と、またティショットをミスした18番」。
チャンスを作れず、平凡なパーに終わった最終ホールも含めて「だから気分も悪いし」と、自分への怒りを隠さなかったが、早朝から強風が舞った2日目の最初の9ホールは見事だった。

1、2番と逃さずチャンスを奪い、4番からの4連続バーディで、前半の難条件を「30」にまとめた。
大学の4年間を過ごした東北への思い入れは強くて、選手会が獲得賞金の一部を拠出して、福祉軽車両の寄贈を始めたのは、池田が3期つとめた選手会長時代。

あの年、震災が起きてすぐに被災地に足繁く通うなど、今も完全復興を祈り続ける男はしかし、賞金王に輝いた年から米ツアーとの日程繰りがなかなか合わずに今大会は、2015年を最後に出場が途切れていたが、「今年は久しぶりに巡り巡って出場のチャンスを得た。以前、出ていたときとは違うゴルフをお見せしたいという気持ちでプレーをしている」。
この3年で、ますます進化したゴルフで、福島の皆さんの声援に報いたい。

今週、そんな熱い思いを女子プロの山口春歌さんが支える。池田のひとつ上の親友の正岡竜二が仲介人だ。
5月の日本プロで、なかなか女子ツアーの出場機会に恵まれない山口さんを池田との食事に誘い、勉強をかねて担ぐことが決まった。
「俺を気持ち良くプレーさせてくれようとしているのが伝わってくるし、俺の意見を聞きながら彼女も、自分の意見をきっちりと言ってくるのはいいと思う」とコンビネーションは上々だ。
「そんな中で、彼女自身の今後のプレーにつながっていけばいいと思う」と今週は相方のためにも、気は抜けない。
「まだ2日目だし、順位はどうでもいい。それより、自分のゴルフをどう組み立てられるか。納得いくものを積み重ねていかないと、勝てる時に勝てない」と、毅然と「きっちりとした組み立てさえ出来れば、だれよりも上に行けるという気持ちはある」。
福島で、節目の20勝目をにらむ。

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