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フジサンケイクラシック 2017
薗田峻輔がホールインワンを達成
後ろの組で一部始終を見ていた明治大学の先輩、深堀圭一郎が喜んだ。「明日、峻輔と食事の約束をしておいて良かった!」。同期の小平智は、「焼き肉屋の領収書は薗田で!」。
16番のホールインワン賞は、このまま同ホールで最終日まで、他に達成者が出なければ、賞金800万円を独り占め。
ツアーでは、自身初の快挙は主催者のご配慮で、クラブハウス前の電磁スコアボードに文字が映し出されるほど「おおごと」(薗田)になった。
近頃のゴルフの状態は、本調子とはいえず、「16番を迎えるまでの数字(3オーバー)には不満があった」と、終盤で一気にスコアを2つ縮めた美味しい1打は「良い感じで打てたし、少しでも近くに寄ってくれ」と呆然と球の行方を見送り、入った瞬間もまだ「ぼーっとしていた」という本人とは裏腹に、むしろ取り巻く周囲のほうが「やったやった」と、狂喜乱舞だ。
今大会では、達成者が出るたびに賞金がリセットされて、再び300万円から1年ごとに、上限800万円まで100万円ずつ積み上がっていくしくみで、過去には97年に開催コースこそ違うが米山剛が700万円。2008年には、フランキー・ミノザが500万円。
そして、年度が前後するが2005年にはやはり、韓国のI・J・ジャンが800万円を得ているが、「そのときもキャディをしていたのが僕」と、薗田も仰天の告白をしたのがかたわらのスコット・ビントさん。
当時と賞金も、使用クラブも同じ5番アイアンというから、なんという偶然。なんという幸運。
2010年には高校の後輩の石川遼にプレーオフで敗れて、連覇を許すという因縁の富士桜。
昨年の今大会では開幕直前のぎっくり腰で欠場を余儀なくされて2年ぶりに来たら「ラフも深いし、距離も長いし」。
度重なる改造により、すっかり様変わりしたコースで数奇なキャディと、これからまた新たな自分史を刻んでいく。