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関西オープンゴルフ選手権競技 2018
32歳の池田勇太が「若いっていいな」
2日目に66を出しても、満足しない。
前半の11番では、600ヤードを超えるパー5で、残り300ヤードから「ここは非常に良いスプーンで、手前から駆け上がったのがピンについてくれた」と、会心のイーグルにも口をとがらせ「前のホール(10番)で、2メートルを外しているからちゃんちゃんかな」。
場外でも、勝つための絶対条件を懸命に構築している最中だ。
今季は年明け早々から、積極的に海外を転戦したが、4月の欧亜ツアーのボルボチャイナで、予選通過するのがやっと。4度目のマスターズでは予選落ちを喫したばかりかその前週にはエースのドライバーが割れるという負の土産を持ち帰り、それに変わるものはまだ、見つかっていない。
「先週も、今週も違うメーカーのものを試している。エースを作るって、難しいね」と、悩みは深い。
同組で回った大学の後輩をうらめしげに見やった。
東北福祉大2年の久保田皓也(くぼたひろや)さんは、池田に遅れずついてきた。
「ドライバーも何も考えず、自信を持ってパカパカ打ってる。若いっていいよね。俺にはもう出来ない」。
32歳の率直な思い。
そんな池田に、久保田さんは羨望のまなざしを向ける。「調子は悪そうだけど、先輩は流れを変えてくるようなパットを確実に入れてくるのが凄い。外見は怖そうかもしれないが、話しかけてくれるし見ていてすごい勉強になる」。
一昨年の賞金王は、失われた青春の代わりに積み重ねてきた膨大な経験だけで、もうすっかり勝負が出来る年齢だ。