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ダンロップ・スリクソン福島オープン 2018
自身初のV争いに味をしめた山岡成稔「プロをやってて良かったと思えた瞬間」
苦笑いでボールの行方を見送っていた本人よりも悔しがっていたのは、グリーンサイドで応援していた日大同期の親友だった。
山岡の1打差敗退が決まった瞬間、その場にひっくり返って悔しがった堀川未来夢。
副将の山岡が、主将の堀川を支える形で強豪チームを牽引した2人はやがて、揃ってプロ入りを果たして「いつかツアーで一緒に優勝争いしよう」と、約束し合った。
共に、近い位置から出た最終日は、自身のチャンスはなくなっても最後まで応援してくれた戦友に、今回は報いることが出来なかった。
人生初の最終日最終組は大混戦の中でも前半、オールパーで折り返した石川遼を横目に、4つのバーディでゲームを引っ張った。
だがついてくる大ギャラリーは「ほとんど遼さん」。
石川目当てのファンに紛れながらも山岡は、「勝って当然と思われている、遼さんのほうが僕よりもずっとプレッシャーは強いと思う」。
緊張の中でもそんなことに頭を巡らす心の余裕もあった。
後半からひとつ前の秋吉との大接戦が始まったが「秋吉さんというよりは、遼さんがバーディを獲りはじめたのでそれに自分もついて行こう、と」。
目の前の石川を指標に2打目をグリーンの右に落とした13番ではチップイン。ピンチを一転バーディに変えるしぶとさも見せた。
首位をとり合うシビアな展開で、ひとつもボギーを打たずに来られたのは良かったが、「昨日も、今日も18番は取りこぼしている」。
最後のパー5はバーディ必須の大事なチャンスホールで2日間ともに平凡なパーに終わっている。
「その2打が効いた」と詰めの甘さに反省しきり。
「出来る時に優勝したかったので。“これが自信になった”とは言わないです」。
あくまで目標は優勝。自己ベストの2位も、自分でよしとは言いたくなかった。
そんな山岡よりも悔しそうな顔をして、アテスト場に向かうあとから堀川がトコトコついてきた。
ひとまず祝杯はお預けだ。
「残念です」と、山岡。
しかし反面、充実感で一杯だ。
「優勝争いは楽しい。プロゴルファーをやってて良かったと思えた瞬間」。
何度でも、またやりたい。そして次の相手が無二の親友ならなおさら燃えるに違いない。