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男子のJGTOは逆転負け・・・(日立3ツアーズ選手権)

一生懸命頑張ったんだけど・・・
男子のJGTOの詰めの甘さは、まるで絵に描いたようだった。今年2015年のまさに最後の締めくくり。千葉県のグリッサンドゴルフクラブで12月13日に行われた技と美と、力の競演「「Hitachi 3Tours Championship(日立3ツアーズ選手権)」は、女子のLPGAの連覇で幕を閉じた。今年は開幕前から、懸念していた通りの展開となった。女子の大会4勝目を許した“戦犯”こそ、我らがJGTOだった。

前半9ホールの1stステージは、ベストボールのダブルス戦で僅差ではあったが確かに男子は有利にゲームを運んでいたはずだったのだ。さらに後半9ホールの2ndステージは、オルタネート方式のダブルス戦でも序盤は順調に、2年ぶりの6度目のタイトル奪還まで、本当にあともう少しだった。

一度はトロフィに手をかけながら、男子のJGTOは一陣ペアの武藤俊憲と松村道央が、最終ホールでまさかの池ポチャ。
ここから悪夢の連鎖で2組目の岩田寛と金亨成コンビが、これまた同様に最終ホールで池に入れ、土壇場で立て続けの大失点には、目も当てられない。

もはや、この時点で命運は動かしようもなかった。最終マッチを待たずして、LPGAの連覇が決まっておれば、もはや最終ペアの選手会長と“スマイリー・ダイスケ”の奮闘も、空しいばかり。

最終9番の2打目で絶好のチャンスにつけて、意気揚々とグリーンに上がるなり、奥のスコアボードを見たときの池田勇太の拍子抜けといったらハンパではなかった。

「かぁ〜、情けない・・・!」。
うら若き可憐な女子に、またしてもやられた。
「大の大人がもぉ〜ねぇ・・・」と、3期目の会長職も、こんな形で締めくくろうとは。
今年からゲーム方式が変わって前後半ともダブルス戦は、後半の2ndステージの加点も倍になり、新ルールのあおりをまともに食らって、すでに我らがJGTOが、逆転負けを喫したことを知った池田の落胆は相当なものだった。

せめて、最後はカッコ良く俺たちのバーディ締めで・・・と、揃って息ぴったりの真剣なライン読みも空しく、ペアの片岡大育は、絶好のチャンスを惜しくも逃してしまって、池田はここでも膝カックン。

「おかげさまで女子は後半に力を発揮してガバーっといって勝った。粘り勝ちです!」。女子のLPGAの小林浩美会長の喜びようはハンパではなく、もはやぐうの音も出なかった。

栄えあるMVPも、女子の菊地絵理香さんに持って行かれて、男子も形無し。今年、国内最高額の賞金女王が象徴するように、いまもっとも勢いめざましい女子には、最後の最後もまた主役の座を持って行かれた。

しかも勝ってなお、「今日は(前後半戦)2回とも勇太さんと回って、パットもアプローチも私と全然“違くて”勉強になりました」と“ボミちゃん”に、けなげに見上げられれば、“男・勇太”もお手上げだ。
前評判通りに最後まで、女子の愛らしさにしてやられた。

今年もまた最下位に沈んだシニアのPGAは、もはやはなから諦めムードで「僕らも応援していた女子が、勝って良かった」とは、大会最多出場の10回を誇る還暦“鉄人”ゴルファー・室田淳。
相変わらずデレデレのまま、「来年は女子チームのコーチで戻ってくる!」とは、それもまたひとつの励みなのか、意気込みなのか何なのか。「今年で引退するつもりだったけど・・・」とはもちろん、室田のいつものジョークでも「これでまた、やる気が出て来たよ!」。技のシニアも力の男子も、リベンジをかけて、あらゆる手を尽くして来年も、再びこの舞台に舞い戻る。

それに何より3ツアーズの面々が、年齢も性別も、すべての垣根を取り払い、その年の最強ツアーの称号を獲り合う中でも、常にその脳裏にあるのが「for CHILD CHARITY」だ。年に最後のプライドマッチは入場券収入や、選手の獲得賞金の一部が難病を抱える子、家庭環境に恵まれない子に今年も役立てられる。また4年前からは、東日本大震災で最愛の人を亡くした子たちのための復興支援も加わって、今年も選手たちは、改めて全国の子どもたちに思いを寄せる冬の1日となった。

「負けたけど、楽しかったし、盛り上がったしよかった。2015年も終わりだけれど、最後に活躍した選手をこういう形で見てもらうのは、良いと思うしこういう大会は海外でもあまりないと思うし、これからも長く続けていければいい」(池田)と、今年も大会特別協賛の日立グループのみなさんにも、感謝、感謝の“最終戦”。
「来年も、ありがとうの気持ちで頑張る」とは、ボミさんだ。
2016年も3ツアーズは、「ありがとう」の気持ちを忘れず、来年末にはまたファンのみなさまとこの場所でお会いできますことを、心より願っております。

<2015年度の成績発表>

<1stステージ>(オルタネート方式のダブルス戦)
(第1組、シニア、女子、男子の順)
室田淳&崎山武志  (-2,0point)
菊地絵理香&渡邊彩香 (-3,1point)
武藤俊憲&片岡大育 (-5, 2point)

(第2組)
田村尚之&平石武則     (-4,1point)
上田桃子&テレサ・ルー   (-5,2point)
岩田寛&松村道央 (-3,0point)

(第3組)
渡辺司&米山剛  (-5,1.5point)
大山志保&イボミ  (-3,0point)
池田勇太&金亨成 (-5,1.5point)

<2ndステージ>(ストロークプレーのシングルス戦)
(第1組)
田村尚之&平石武則 (-1,1point)
菊地絵理香&渡邊彩香 (-4,3point)
武藤俊憲&松村道央 (-2, 2point)

(第2組)
渡辺司&米山剛   (-1,2point)
上田桃子&テレサルー (-2,3point)
岩田寛&金亨成    (E,1point)

(第3組)
室田淳&崎山武志  (-2,2point)
大山志保&イボミ   (-1,1point)
池田勇太&片岡大育 (-3, 3point)

1位 LPGA  10 p
2位 JGTO  9.5p
3位 PGA   7.5p


※大会のオフィシャルホームページ
  • 本当に一生懸命頑張ったんだけど・・・
  • シニアは2年連続の最下位にも元気いっぱい!
  • 「来年は女子のコーチで出ようかな?」(室田)
  • 最終ホールで劇的バーディ! LPGAの菊地さんが堂々のMVPを獲得した

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