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ISPSハンダグローバルカップ 2016

依然として海外勢がひしめく2日目。2人の朴もV争いに

こちらはジュンウォン
決勝ラウンドを前に、優勝争いに名を連ねた2人の朴。初日に8アンダーを出したのは、朴相賢(パクサンヒョン)。2日目に、66を出して1打差に迫ったのは朴ジュンウォンだが、一応最初にことわっておく。

「僕は、相賢(サンヒョン)さんに、対抗したわけではありません!」。
ジュンウォンにとって、相賢(サンヒョン)は4つ上の大先輩。しかも、相手は韓国ツアーで5勝目を飾ったばかりだ。「僕なんかより、ずっとキャリアを積んだスター選手。僕は、背中を追いかけるつもりで、頑張りました」と、まず先輩を立てることを忘れず、スタートの1番では2打目を10センチにつけるおはようバーディで、勢いをつけた。ここ石川県の朱鷺の台カントリークラブは面積の小さいグリーンに、「絶対に奥はダメ」と徹底して、手前から攻めて「少し重めのグリーンは、パッティングで強めに打つ」。
9番では6メートルを沈め、13番では2メートルのチャンスも逃さず、16番ではエッジからこれまたパターで7メートルをねじ込んだ。

5月の関西オープンでは、初日に首位で飛び出しV争いも、やはり韓国の趙炳旻(チョビョンミン)に初優勝を譲った。
悔しいには違いないが、「そんなことはもう忘れた」と潔い。

「ゴルフを始めてから、数え切れないほどああいう思いをしてきましたので。それをいちいち覚えていたら、僕は今頃ここにはいない。それより次の目標に向いています」。

今年はほかに、2月のレオパレスミャンマーオープンで2位タイ。国内開幕の東建ホームメイトカップでは2日目に3位タイ。「日本ゴルフツアー選手権 森ビルカップ Shishido Hills」では、2日目に5位タイ。再三のV争いも、早く結果をと欲張り過ぎたのが仇となったかもしれない。
「もちろん、早く勝ちたい気持ちはありますがそれよりもまず、来年のシード権を確保するのが先。今は欲を抑えて、着実なプレーを心がけたい」。

さて、そんなジュンウォンの前に立ちはだかるのが相賢(サンヒョン)だ。この日は初日とはうって変わって、苦しい1日。「ドライバーが、右にばっかり曲がった」と、前半の18番ではOB。ダブルボギーで一度は沈んだ。後半も、何度も冷や汗をぬぐいながら、懸命に盛り返してきた。最後の9番では、右の木の下から低い球で、なんとかグリーンに乗せた。パーを拾って、どうにか後輩に1打リードで決勝ラウンドを迎える。

「ジュンウォンとは、いつもご飯を一緒に食べたり、とても仲良し」。昔なじみの後輩は、良き仲間だが闘いの場では、容赦しない。
「負けないよ!」と言い切った。「いつもみたいに楽しい雰囲気もなし! 勝負ですから」。いくら可愛い後輩でも、日本での初Vをあっさり渡す気などさらさらない。

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