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2015年のチャンレンジの星! 森本雄が語る2015年、そして2016年

永久シードの英雄、青木から受けたトロフィーはまた格別だ
12月7日月曜日に行われたジャパンゴルフツアー表彰式は、華やかな式典の前に選手の社員総会と、税金やマイナンバー制度について学ぶセミナーが行われた会場で、つかの間の休憩時間に威勢の良い声が響いた。

「よっ、これはこれは、賞金王さま・・・!」。
3期目の選手会長。池田勇太ならではの祝福メッセージに、森本は「へへっ」と照れくさそうに笑って「ありがとうございます!」。嬉しそうに頭を下げた。

レギュラーツアーへの夢の登竜門。来季もたくさんのスポンサーの支援を受けて、“14試合”の開催を発表した。チャレンジトーナメントの賞金1位が、翌年1年間の“シーズンチケット”を受け取るようになって、8シーズン目が過ぎて、昨年1位の今平周吾もそうだが、ここから大きく羽ばたいていった例は枚挙にいとまがない。

以前は、翌年のツアー前半期のみにとどまっていた出場資格が、フル出場に変更されて以降は、よりチャンスを大きく生かす選手が増えて、ここで1位に輝くことは、今や“賞金王”と呼び称されるくらいの価値がある、といっても過言ではない。

さて、そして今年その称号を手にした森本である。
10歳でゴルフを始めた森本は、宮里藍さんや藤本佳則を輩出した名門・東北高校へ進学。全国高等学校ゴルフ選手権などでジワジワと頭角を現して、自信をつけると、卒業と同時にプロ転向を決意する。

「25歳までに成績が出ないなら、諦める」と決意して飛び込んだ。今年が、いよいよその“最後”の年に、自らが強いた崖っぷちを前に森本は、このオフに新たな取り組みをスタートさせていた。

地元愛知県のジム「ワイズスポーツ」で着手した体幹トレーニングは、すぐに森本の気に入った。
「体のケアの重要性は、プロ入りから可愛がって頂いている、同じ愛知の先輩、桑原(克典)さんに、ずっと言われていてもう十分に理解していた」とその下地は出来ていた。
「でも試合では、あと一歩のところで結果が出せない。あとちょっと足りない部分は一体何なんだろう。必死に考えながら、今年のオフを過ごしたことが、上手くいったんじゃないか」(森本)。

かのトレーニングジムでは、まずその人が持つ体本来の動きを取り戻すとことから始めたという。「赤ちゃんのころは、何にも考えなくても、誰でも理にかなった動かし方をしている。だけど、大人になるにつれて悪いクセが出来たり、無理な動かし方をしてしまって体を壊したり。それらをすべて見直して、持って生まれた感覚を呼び覚ます。僕が取り組んだのはそういうトレーニング法でした」。

やればやるだけ自信は深まる。強い気持ちで戦える。「おかげでショットの軸がぶれなくなり、それほど調子が良いとはいえない時でもスコアをまとめられたり、今までは外していた勝負どころのパットも決めきれるようになった」。あともう一つ、何かが足りないと、自覚していた穴も埋まった。

今年のチャレンジトーナメントは、最後まで目が離せない大接戦となった。その中で、粘り腰を見せた森本。シーズン最終戦「JGTO Novil FINAL」では、ドラマチックなどんでん返しが待っていた。秋吉翔太との約4万円差を逆転して、2,999円の僅差で“王座”をつかんだ。

「今年は1位になれたといっても、圧倒的に勝ったわけじゃない。これからも引き続き、ますますの努力が必要です」と、いっそう腰を据えて前を向く。

その“称号”を引き継いで戦う2016年。
「毎年、1位の選手には注目が集まるし、それに応えてみなさん、活躍されている。僕もぜひそれに便乗したい。乗り遅れたくない」と、意気込む。「ツアー初優勝はもちろん、チャンスがあれば狙いたい」。昨年の今平を筆頭に、V候補がひしめく中で、森本も虎視眈々と“一番乗り”をにらみつつ、これからも地に足つけて戦っていく。
「1年目からそう甘いはずはない。まずは毎年、レギュラーツアーに出続けることを目標に、地道に頑張っていくつもりです」。
2015年のチャレンジの星は、2,999円差の男。森本雄(もりもとゆう)が、さらなる飛躍の時を迎えようとしている。

※チャレンジ賞金ランキング1位の森本雄には、一般社団法人日本ゴルフツアー機構より記念のトロフィーと、ノヴィル株式会社の久岡広季・常務取締役より賞金50万円と、副賞として、株式会社パレスホテルの小林節・取締役会長より「パレスホテル東京 エグゼクティブスイート宿泊券」が贈られました。

  • 来季もまたチャレンジ最終戦「JGTO Novil FINAL」ではどんなドラマが待っているか。
  • 1位のご褒美は、エグゼクティブスイートで味わうセレブ気分・・・!!

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