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ウッズの猛チャージにノリノリ、ノリス(全英オープン3日目)
イーブンパーの29位タイから出た3日目は4番、6番で約4メートルを読み切った。
9番で手前から長いパットを決めると10番、11番ではピンそばにつけて3連続バーディを奪った。
週末に集う大観衆を大興奮に巻き込んでいくウッズ。
一部始終を一番近くで見ていた選手が一番、興奮していた。
「クレイジー、間違いなくクレージーだった」と、つぶやいたのはジャパンゴルフツアーメンバーの一人。
昨年の日本ゴルフツアー選手権の覇者。
今年は出身の南アフリカで行われた予選会を突破して立った2年連続2度目の全英オープンで、ショーン・ノリスは信じられないものを見た。
「あれほどの観衆がウッズ1人についてきている。現実に感じなかったよ」。
3日目に同組で回ることになった元世界王者には最大級の敬意を払い、スタート前にはきちんと自己紹介も済ませた。
「自分は日本でプレーをしていることを話した」。
ホールアウト後は応援に駆けつけた家族にサインをしてやって欲しいと頼んだら、快く応じてくれた。
「嬉しかったし楽しかった」と充足の1日は、本当に夢のようだった。
感動と感激の3日目の締めは最後の18番だった。
ティショットをあわや左の川へ入れそうになったウッズは、それでも冷静に、丈高いラフからの2打目を刻み、フェアウェイに戻した。
ピンまで100ヤードもない3打目は、ウェッジでピンそばにぴたりと止めた。
ウッズに向けられた大歓声と拍手を、ノリスも一緒に浴びながらグリーンに上がった。
「彼からたくさんのことを学んだ」。
今季深刻な腰痛から復帰して、首位と4打差のV争いに加わり、2008年の全米オープン以来のメジャー15勝を狙うウッズ。
その背中を焼き付けたノリスは自身もまた、28位から出る最終日に初出場の昨年大会(62位)を上回る好成績を狙っていくのは言うまでもない。