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野仲茂が48歳にして初めてつかんだ勲章は
「アピールする…というほどのものではないんだけれど。これだけ長くやっているから。若い選手に大きいものでは勝てないから。自然とこういう小さいものが、上手くなっていくのかな?」と、グリーンサイドのバンカーに入ってから2打かそれより少ない打数でカップインする率で、今年61.82%を記録して1位に。
部門別賞を表彰するジャパンゴルフツアー表彰式で、生まれて初めてレッドカーペットを歩いて、「この年になって恥ずかしい…」と、照れながらも「今年はフェアウェイキープ率では2位に。稲森くんがいるから難しくなっちゃったけど、バンカーでは獲れた。何でも1位になって、存在感が出せるのは良いこと」と、控えめながらも胸を張った。
2010年の関西オープンで1勝の経験も、2014年に3度目のシード陥落をしたまま。今季は昨年のチャレンジトーナメントの賞金ランク5位の資格で、復活を期したがシード権を獲り返すどころか、QTはサードで失敗。
「歳のせいにはしたくないけれど。若いころなら寝ちゃえばなんともなかったのが、今は無理して練習すると疲れが残るし、翌日に響くし、そうやって、どんどん置いていかれる。先輩方を見ていると、やっぱりみなさんそういうところで苦しんでおられるし、歳はみんな平等にとるもの。しょうがないのかな…」。
晴れやかな舞台の袖で、そんな泣き言もついこぼれた。
シニア入りの年齢まであと2年あまり。
「それまで間があいちゃうと、試合勘もなくなっちゃうしだんだん、厳しくはなるけど出来る範囲でなんとかやって、かじりついていきたいなと思ってる」。
歴史と伝統の横浜カントリークラブの所属プロになってもうずいぶん経つ。コースのみなさんも、このたびの初受賞を喜んでくださったそうだ。
48歳にして、つかんだ勲章を励みに「これからも自分が出来ることをコツコツ磨いて来年はまた、QTサードから頑張る」。
JGTO会長の青木功から記念のトロフィーを受け取ると、いっそうベテランの気合が入った。