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片岡大育は今年も“ねえさん”と一緒に
というか、大勢のファンを集めてむしろプロがキャディに嫉妬した。プロ顔負けの知名度で、人気を誇る。「ライバルはキャディさん」と、片岡が言ったとおりに、トークショー後のサイン会でも、せっせとペンを走らすプロのかたわらで、引きも切らずに記念撮影に応じていた伊能恵子さん。
身長167センチのプロと、自称(?)176センチのキャディがでこぼこコンビを結成して3年目の春。
コースでも、いつも笑顔の絶えない2人。トークショーでもぶっちゃけて、笑わせた。
ある日の試合のこと。ホールの風向きを聞いた片岡に、平然と伊能さんは言ったそうだ。
「2時から4時の方向です」。
時計の針に見立てて言ったはいいが、えぇっ?!それってどういうことなん?!
伊能忠敬の末裔がかます天然ボケは、時に神風を吹かすこともあるから、ますますプロは翻弄される。
「いざ打ったら本当に、2時から4時に風が吹いたりするので。びっくりする」と、今年も抱腹絶倒の1年になることは、間違いない。
「調子が良い時も、悪い時も、プロが納得するプレーが出来るように、心を砕いています」と、キャディの心得を語る伊能さんに、プロがつい本音?!
「えっ、そうなんですか?! 全然、気づかんかったです・・・」。
「ちょっとちょっとぉ・・・」。
なんて、そんな軽口をたたけるのも、強い信頼感で結ばれているからこそ。
「伊能さんは、本当に頼れるねえさんです」。
今年も2人で、さらなる高みを目指して歩く。
「まずは、出来るだけ早い1勝を」と誓いあった2人の今年、最初のミッションは、やっぱり中日クラウンズ。
昨年は、最終日の17番のダブルボギーで、金庚泰(キムキョンテ)に敗れて流した涙。「あれは演技です」。うそです、悔しくて本気で泣けました。今年はまず、2人であのリベンジです。
昨年10月のトップ杯東海クラシックでは、うれし涙を流した。「あれも、演技です」。
これも、うそです。あれはプロより先に泣いた伊能さんに泣かされました。次の通算3勝目は、どんな2人の優勝シーンになりますか。それも楽しみな、片岡の2017年。
酒飲みの食いしん坊だが、久々にファンの前にさらした体は目に見えて、引き締まっている。今年は新トレーナーの元で、飲み放題、食べ放題の食生活を見直し、体質改善につとめる。
体は絞りたいけど、飛距離は落としたくはない。今は1日5食も焼き肉三昧のこれまでとは、食べる中身も量も違う。
大好きな酒も断ち、体重はキープしながら、体脂肪を減らし、筋量を増やして、体はすでに戦闘モードに仕上がっている。
「僕も松山選手に追いつくことを目標に、今やれるマックスの努力を重ねていつか、アメリカでやってみたい」と今年は昨季の賞金ランク5位を上回る結果を求めて、日々調整の毎日だ。
しかしながら、プロがこんなに頑張っているのに、いつもコースでファンに言われるのが「キャディさんは凄いね、と・・・」。
だから今年も片岡のライバルはやっぱり伊能さん!
本当の人気者はプロか、キャディか?!
かたわらのねえさんと、切磋琢磨でコースを歩く。