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ゴルフ日本シリーズJTカップ 2013

土壇場の戦士! 宮里優作は、思いがけない首位タイ発進【インタビュー動画】

心の準備もないまま首位タイ発進。先週は“逆転の出場権”を獲得した。カシオワールドオープンは、シード権争いの“最終戦”で、兄貴の心配をしながら最終ホールは6メートルのバーディで、7位タイ。

「まぐれでしょう」と目を剥いた。同大会が始まるまでは、優勝者と賞金ランク上位の選手しか出られないこの頂上決戦にも“圏外”のランク30位。
「出れるとは、思ってなかった」。
それが終わってみれば、一気にジャンプアップの同24位に浮上。まさに、土壇場で出場枠の30人に滑り込んだが「それより兄貴が・・・」。長男・聖志のシード落ちが確定した大会で、すぐには喜べないまま、きゅうきょ乗り込むことになった2年ぶり3度目の最終戦は「手応えもなかった」。

先々週から調子を崩してしまったというパッティング。「全然入らないのでどうにかしてくれ」。慌ててコーチで父の優さんに電話をしたら、「今週は会場に行けないし、またオフに」とすげなく言われて絶句した。
「えぇっ、俺もう1週出られることになったんだけど・・・」。
仕方ない。当面、自力でなんとかするしかない。「困ったときに“引き出し”に1個持ってる」。秘伝のドリルは練習場で、クロスハンドで打ってみたり、悪いときに右肩が上がるクセや、アライメントのズレも専属キャディの杉澤伸章さんとの二人三脚で、「あまりシリアスになりすぎても良くない。ファジーな感じに戻した」と、どうにか間に合わせても、今年の東京よみうりは、一筋縄ではいかない。

例年になく硬いグリーンに「今年はピンを真っ直ぐに狙うショットはあまりない。広い方に打ってチャンスを待つしかない」。またこの日は勢いこそなかったが、微妙な風向きに「距離感を出して行きたいのに風と上手く合わない」。
優作も翻弄されて、グリーンの手前にショートしたり、奥に打ち込んだり。それでも8番や11番では奥から5〜6メートルを拾い、10番や14番ではピンそば40センチのバーディを奪った。

今週は、聖志がファイナルQTで、起死回生を狙う中で、好発進をした優しい弟。兄貴を気にかけながらも、さっそく悲願のツアー初優勝も睨める位置だ。初出場を果たした2007年から思い続けていることだが、「この大会は、昔から優勝して出るもんだと思っているので」。

また勝てないまま来てしまったという思いからだろうが、この日はインタビューに答えて「今年も勝てなかったので」と、弟は先週の時点で勝手にエンドマークを打っている感があるが、まだ2013年は終わっていない。

最後にもらったビッグチャンスも熱い思いは胸に秘め、今はマイペースを貫きたい。
「結果、優勝出来れば最高ですけど、それに固執すると僕は硬くなる。今何をすべきか明確にすることが大事で、形にこだわらず、臨機応変にアジャストしながらコースと向き合っていきたい」と、自分に言い聞かせた。


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