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めだかのレースは、陣か琴乃か大二郎か…!!
1月1日に、地元・鹿児島県鹿屋(かのや)市内の練習場で、初打ちに励んでいたのは、出水田大二郎(いずみだ・だいじろう)と、香妻(こうづま)きょうだい。
3人とも、女子プロの横峯さくらさんの父・良郎さんが同市で起ち上げたゴルフ塾「めだかクラブ」で幼少期から一緒に競った。
今も仲良し3人組。
でも、この日の合同練習は、まったく偶然の産物だった。
「母親と練習に出たら、いつも行くところが今年は正月休みを取っていて」とは、出水田(いずみだ)。きゅうきょ場所を変えたら、そこにすぐあとから琴乃さん&陣一朗の香妻きょうだいも現れて、お互いびっくり。
互いの実家は車でわずか10分とはいえ、元日の合間を縫う慌ただしい初打ちで、約束もなしに勢ぞろいすることなどなかなかない。
稀有なチャンスを活用し、新年早々からさっそく息を合わせて一年の計。
まずは、香妻家の弟・陣一朗。
出水田と、2歳姉の琴乃さんの初V(18年)から遅れること2年。昨11月の「三井住友VISA太平洋マスターズ」で優勝を飾り、これで仲良く1勝ずつ。
勝ち星で、やっと2人に追いつき「コロナでほとんど試合ができない中で、少ないチャンスを生かすことができました」と、余韻に浸る。
「こんな状況でも開催してくださった主催者さんへの感謝を忘れず、今年も試合をさせていただける有難みを感じながら、頑張りたい」と、思いも新た。
そんな弟の吉報時にいち早く、会場にお祝いコメントを届けてくれた琴乃さん。
「昨年は調子があまり良くなかった中で、弟の優勝はいい刺激になりましたし、もっと頑張ろうという気持にもなれた」という。
「引き続き体の故障に気を付けながら、好・不調の波を小さくして、弟と一緒に2勝目を目指せるよう頑張ります」と今年こそ、シード復活に賭ける。
そして、出水田。「今年は賞金王争いをして、1億円プレーヤーを目指したい」と、大きく目標を描いた。
「陣(一朗)より先に2勝目を挙げることも大事。陣も、そこは意識していると思います」と、競争心も隠さない。
今度は、誰が一番乗りか。2勝目を賭けた、めだかのレース。
まずは陣一朗が、先陣を切る。
今月14日から始まる「ソニーオープン・イン・ハワイ(ワイアラエCC)」の特別選手枠で、一昨年のZOZOチャンピオンシップに続く米2戦目に挑む。
現地では、米1勝の小平智との練習ラウンドの”予約”も済ませるなど、渡米準備も着々。
この日の奇遇な初打ちでは「好調が維持できている」と、感触はつかんだ。
帰国後2週間の隔離を経て、出水田とは2月恒例の宮崎合宿で再合流する予定。
「優勝争いをして、帰ってきたい」。