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武藤俊憲は「谷口さんが待っている」
「狙っていったんで仕方ない」と、再び若い梅山知宏と仲良く並んで通算10アンダーの24位タイに終わった武藤。
プロアマ戦形式で競う今大会は、“大会親善大使”的な役割もあって、元プロ野球メジャーリーガーの桑田真澄さんと回れたことは、大会中に39歳を迎えたばかりの武藤にとってもたいへん貴重な経験になったようだ。
ベストボール方式のプロアマ戦では惜しくも最終日に挑めるチームトップ10には入れなかったが「3日間、桑田さんと一緒にプレーが出来て良かった」。
PL学園高校で、甲子園に一大旋風を巻き起こしてまさに寵児となってからというものプロスポーツ界の王道を、歩き続けてきた。
今週は、常に一緒に過ごす中でその桑田さんから「悪かったことを、次につなげるようにしているという話を聞いて。当たり前のことなんですけど、桑田さんの言葉はズバーンと来た」と、武藤にはまさに直球だった。
桑田さんの言葉を真正面で受け止めた武藤は「同じアスリートとして、また第一線で活躍してきた人ですから。今週はその人の話を聞けて良かった」と、今シーズンにつなげる心構えが仕上がった。
「はっきり悪いところが分かってきた。それを練習でフィードバックして、試合でやっての繰り返し」と、手土産もちゃんと出来た。
帰国してからすぐにまた、宮崎に飛ぶ。
「谷口さんが、待っているんで」。
桑田さんと、高校時代の同期だった師匠の谷口徹の恒例の宮崎合宿に、再び合流していよいよ4月の国内開幕にむけて、最終調整に入る。
武藤とともに、日本勢としては最上位で終わった25歳の梅山。最終ホールはやはりボギーも、池ポチャからの「ナイスボギー」でもあった。
「国内の開幕前に、良い経験、良い弾みになった」と、ファイナルQTランク38位の資格で挑む今シーズンに向けて、ニュージーランドで確かな手応え。
松山、石川と同学年。東北福祉大ではキャプテン松山を、副キャプテンとして支えた。「2人を尊敬しているし、同じステージに立ちたいとも思う」。梅山もこれ以上、2人に差をつけられるわけにはいかない。
大会は、通算19アンダーで並んだマイケル・ヘンドリーが、ブラッド・ケネディと、ベン・キャンベルとのプレーオフを制して優勝した。
ジャパンゴルフツアーでもおなじみの顔は、母国の公式戦Vに「このトロフィはいくつかある中でも自分がもっとも欲しかったうちのひとつ。僕らニュージーランドの選手ならば、誰でももっとも欲しいもの。それがいまここにある。とても素晴らしい」と、感無量だった。
そのほか上位のジャパンゴルフツアー勢は、韓国の宋永漢(ソンヨンハン)と、18歳の任成宰(イムソンジェ)が12位タイにつけた。
また、プレーオフに敗れて2位になったベン・キャンベルはジャパンゴルフツアーのメンバーではないが、資格を持たない最上位者に与えられる「日本ゴルフツアー選手権」を含む3試合の出場権を獲得した。
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