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げんちゃんが3役V
地元九州ゆかりのプロを中心に、熱戦を繰り広げた「芥屋グループチャリティトーナメント」は28日に、最終ラウンドを行い、時松隆光が64をマーク。通算16アンダーで、前日の5位タイから逆転優勝した。
自身の所属コースでもある「筑紫ヶ丘ゴルフクラブ(福岡県那珂川市)」を皮切りに、26日から毎日コースを変えてプレーするサーキット戦。
最終日のこの日は「芥屋ゴルフ倶楽部(福岡県糸島市)」でボギーなしの8バーディを記録。
パットが、面白いように決まった。
「自粛中に、外で練習できない代わりに、部屋でパター練習を重ねたのがよかった」。
逆境も、みごとにチャンスに変えた。
思わぬ災禍に見舞われた今夏。
今年、48回目を迎えるはずだった「RIZAP KBCオーガスタ(8月27−30日)」は小学時代に時松が、父に連れられ初めて観戦した思い出深いトーナメントも新型コロナウィルスの影響で、史上初の大会中止という苦渋を強いられた。
他大会でも中止や延期が相次ぐ中で、開催コースの「芥屋ゴルフ倶楽部」から、選手救済のための大会を開きたい、との申し出を受けて、自身も発起人として、ひと肌脱ぐことを決意。
準備に奔走して、この「芥屋グループチャリティトーナメント」の開催に、こぎつけた経緯がある。
主催者と時松の熱意もあり、日に日に賛同してくださる協賛社も増えて、当初は500万円だった賞金総額が、開幕前日にきゅうきょ1100万円まで増額された。
「コロナの大変なこの時期に、僕ら選手のために、たくさんのご協力をくださって、本当にありがとうございます」。
無観客での優勝スピーチでも、「発起人兼ホストプロ兼選手会長」という3役を、立派にこなした。
大会からは、地元の医療機関と、先月の九州豪雨災害の被災自治体に、チャリティ金も拠出される。
「コロナができるだけ早く収束し、豪雨災害に遭われた方々の早期の復興を願い、僕ら選手も常に、何ができるかを考えながら、これからも頑張っていきたいと思います」と、決意も新た。
次週は、いよいよレギュラーツアーの再開初戦。
9月3日から始まる「フジサンケイクラシック」の会場の富士桜カントリー倶楽部は、屈指のモンスターコースとして知られる。
「僕はあまり飛ばない部類なので、ショットがよほどしっかりしていなければ、厳しい戦いになると思います」。
難コースでこそ、この日の”3役V”を生かしたい。
「今日みたいに自分の持ち味で、かじりついていければ」。
8か月ぶりの今季2戦目にも、何よりの自信を持っていける。
最終結果