6打差から出た最終日は、世界ランク7位の同学年との一騎打ちの様相になった。一時は3打差まで詰め寄り、「可能性は感じた」とはいうが、それも松山のミスから出たチャンスだった。

6番で松山が左に曲げたティショットは、木の根っこ。
痛めている左手首を気遣い、アンプレヤブルを宣言してフェアウェイに脱出した4打目を、今度は池に入れて松山がダブルボギーを打ち、さらに7番ではアプローチのミスでボギーとして結果、松山にこの日もっとも肉薄したが、その矢先に宋（ソン）は9番でボギーを打ち、「気持ちがダウンしてしまった」。

結局、7打差と引き離された最終ホールでエクボで皮肉。
「あなたがいなければ勝てていた」。松山がいなければ、通算16アンダーで勝てていた。「ヒデキには、ずっとアメリカにいて欲しい」と切実な冗談で、笑い合った。

宋 (ソン)の目標もアメリカ。3日目から松山と2日連続の最終組で回って「集中力とコース攻略。ミスショットをリカバリーする力が世界のプレーヤー。何よりも、学べたことが嬉しかった」と、世界ランク7位の同学年のおかげで充実の準優勝になった。

• 宋 永漢