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JGTO会長 青木功より新年のご挨拶
昨年は、一般社団法人日本ゴルフツアー機構の諸活動に多大なるご理解とご協力をいただき、心より厚く御礼を申し上げます。
日本ゴルフツアー機構の会長に就任して5年が過ぎましたが、昨年ほど悔しく、もどかしい思いをした年ははじめてでした。一方、改めてプロゴルファーそしてジャパンゴルフツアーが、支えてくださっている皆さまとともにあること、そして社会における役割と使命を再認識した年でもありました。
昨年のジャパンゴルフツアーを振り返ってみますと、1月には例年通り、SMBCシンガポールオープンを開催し、2020年のシーズンが開幕しました。
ところが、その直後から新型コロナウイルスの感染が拡大し始め、日を追うごとに感染者数は増え、さらにこの感染拡大は国内に留まらず、世界的な拡大となりました。
4月の中旬から国内戦が開幕する予定でしたが、4月7日に7都府県に、そして4月16日には全国に緊急事態宣言が発出されたことで、国内戦の開幕を断念せざるを得ない苦渋の決断をしなければならない状況となりました。
5月下旬に緊急事態宣言が解除されたものの、大規模イベントを実施することは出来ず、また、ジャパンゴルフツアーを主戦場とする大半の日本非居住選手は自国に戻ったまま、日本に入国することができませんでした。
新型コロナウイルス感染拡大が小康状態となった9月、ようやくツアーを再開できる目途が立ち、ツアートーナメントではフジサンケイクラシックから、AbemaTVツアーではPGM ChallengeⅡから、国内戦を開幕することができました。ツアーの再開にご尽力いただきました主催者様をはじめ、関係者の皆さま方には、あらためまして深謝いたします。
しかしながら、ゴルフファンの皆さまをトーナメント会場にお迎えすることは出来ませんでした。また、我々JGTOのツアーメンバー約200名のうち、その約4割強を占める日本非居住選手の大半は、引き続き日本に入国することが出来ない状況が続きました。我々は何とかこの状況を打破するべく、日本政府をはじめとする関係機関に対し、日本非居住選手の入国規制緩和の働きかけをし続けました。
秋になり、日本非居住選手の日本入国の規制緩和もされ、徐々に選手の顔ぶれも揃うようになりつつありましたが、本来の形には程遠いものでした。
そのような状況にありながらも、ジャパンゴルフツアーとして10試合、さらには、男子ツアーを支援しようと手を挙げていただいた企業様により、エキシビショントーナメントを5試合開催していただきました。あらためまして、主催者の皆さま方、関係の皆さま方に御礼申し上げます。
トーナメントの中止や延期が相次ぎ、選手たちもおおいに考えさせられた1年だったに違いありません。トーナメントを開催していただける有難さ、そこに出場することが出来る嬉しさ、ファンの皆さまの前でプレーを披露できる喜び。自分がどれだけ恵まれた環境にあったかを身に沁みて感じたはずです。
私自身も、トーナメントを開催することができない、選手にプレーをする機会を与えることができない、そして何より、全国のゴルフファンの皆さんに、選手の迫力あるプレーを間近でお見せすることができないなど、悔しくもどかしい思いをした一方で、発見もありました。
コロナ禍で、ファンの皆さまとどうつながり想いを届けられるか考え続け、SNSなども活用して積極的に発信してきました。その中で、多くの皆さまのトーナメントやゴルフに対する熱い想いに触れることができ、ファンの皆さまからも多くの反響をいただき、改めてプロゴルファーの存在は社会を元気にし、人の活力になれると実感しました。
2021年は、社会が少しでも早く復興できるよう、我々JGTOも最大限の努力をして貢献していきたいと思います。そしてトーナメントを開催していただける主催者の皆さま、トーナメントに関わるすべての関係者の皆さま、そして全国のゴルフファンの皆さま方と今こそ一致団結して、このジャパンゴルフツアーをさらに進化させ、未来を拓くツアーにしていきたいと切に願っております。
ジャパンゴルフツアーは、2020年と2021年を1シーズンとして運用していくことになっており、そういった意味では、現在はシーズン途中ということになります。
先般、今年のトーナメント開催日程を発表いたしましたが、開催調整中のトーナメントを含めますと、例年とほぼ同数の大会が開催される予定となっております。
春にはトーナメントが再開され、そしてたくさんのギャラリーの皆さまの前で、選手たちが躍動する姿をお見せできることを願って止みません。
2021年のジャパンゴルフツアーにご期待いただき、引き続きご支援、ご声援のほど、何卒よろしくお願い申し上げます。
一般社団法人日本ゴルフツアー機構
会 長 青木 功