記事
HONMA TOURWORLD CUP 2017
宮里優作が自分のゴルフより気になったこと
偉業達成の瞬間は、もう目の前だった。深堀と、練習グリーンから見守っていたが、右腕の高級時計は時間ぎりぎり。
ティーインググラウンドにのぼっても、ちらちらと横目で見ながら「アプローチは寄ったな」と、そこは見届けられても、いざ自分のティショットは「全然、集中できていない。凄い気になって・・・。引っかけちゃった。危うくボギーを打つところだった」と反省しきりだ。
おまけに、この日は午後から土砂降りの雨。たっぷりと水分を含んだ芝生にグリーンを狙うショットも「5番とか4番アイアンとかになっちゃって、最後はいっぱいいっぱいなっちゃった」と大爆発の初日から一転、苦しいラウンドになったが、14番でティショットを池に入れても、打ち直してグリーン手前から、前日に続いてまたもや、このホールでチップイン。
「14番にはなんかある」と運も手伝い、そこから再三のパーパットも拾い集めてボギーなしで回った。
2位以下にひとつ差を詰められても、初日の貯金を使って首位を死守した。
ジャンボ尾崎がツアーで自身2度目のエージシュートを達成したが「10アンダーを出る選手がいるんだから。俺のプライドとしてはどうかな?」と、ジャンボの喜びを半減させてしまった(?)。その張本人が宮里だ。
前日初日に61を出した選手が大御所に「おめでとうございます、なんて言いにくい。ジャンボさんは、絶対また優勝したいと思っているはずだし失礼にあたる」と祝いの言葉は控えたが「ありえない」と、70歳の偉業に驚嘆した。
「若手、中堅、ベテランの3世代が頑張れば一番面白いし、それがゴルフの醍醐味。底上げるためにも僕らが頑張って、若手の壁にならなければいけない」。選手会長の自覚がますます深まる、地元名古屋でのV争いだ。