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コロナ禍初の有観客試合で中西直人が噛みしめた思い
初日からさっそく、ホストプロの存在感を示した。
5位タイにつけた中西直人は喜びを噛みしめた。
「プロゴルファーをやっててよかった」。
賞金加算がされない3日間のエキシビション大会とはいえ、コロナ禍初の有観客試合。
久しぶりの歓声を浴びながらの好プレー。
主催者のご厚意で、趣向を凝らしたお弁当や焼き芋、季節の果物が無料で振る舞われ、あちこちでビニールシートを広げるお客さんたちは、誰もが楽しそう。
初日からパッティンググリーン横に登場した釣り堀には、ゴルフクラブのかわりに釣り竿を握りしめ、なんならプレー中より真剣なまなざしで、一喜一憂する選手たち。
おまけに、ゴルフ日和のぽかぽか陽気だ。
楽し気なみんなの様子を見ながら中西は、つくづくと思う。
「お金を払って観戦にきてくださる以上、試合はお祭りでないといけないという考え。見ている方も、やっている方も楽しめる状況を作ってくれている。主催者さんの試みは素晴らしくて、さすがだなと思います」。
プレーにも、気持ちがこもった。
18番では、アプローチが入りかけ。
最もお客さんが集まる最終ホールをドっと沸かせた。
「コロナ禍でもこれだけの方に集まっていただいて、本当にありがたい。プロゴルファーをやってて本当に良かったです」と繰り返し、噛みしめた。
声援が聞こえたほうへ、必ず顔を向けて手を振る。
「ナイスプレー」と言われれば、独独の関西なまりで「ありがとうございま〜す」。
満面の笑顔で応える。
「個性をもっと出していきなさい」とは、主催者の半田晴久・会長からの教えだ。
「目標も高く持ちなさい。タイガーも、マキロイもお金を稼ぐためだけでなく、記録と戦っている。歴史に残る、そんなプロゴルファーになりなさいと、いつも仰っていて、すごく勉強になります」。
期待に応えて、記憶に残るホストVを目指す。