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日本プロゴルフ選手権大会 日清カップヌードル杯 2017
49歳が首位キープ!
でも、初日に続いて単独首位を守って平常心を装った。
リーダーともあろう者が、疲れた顔を見せてはいけない!
「爽やかにしとこ」と、ホールアウト後のテレビインタビューでも、どんなに涼しげに見せても、したたる汗は隠せない。
しかもこの日は序盤に冷や汗。
2番の2打目は「ラフが深かった」と手前に外し、そこからさらに奥のバンカーに入れるなど、手間取った。
続く3番のパー3は「ミスショット」と、これまた右の手前のバンカーに打ち込み、連続ボギーの滑り出しに「今日はスタートで躓いた」。
どうにか取り返そうと、チャンスにはつけるのだが、昨年のリオ五輪の会場と同種の芽の強い洋芝は、「近すぎると逆に入らない」。
まごついているうちに、小平智に追いつかれたが、想定内である。
若い小平。「体力とショットではかなわない。パットと、ティショット以外で勝負する」。
むしろ、それを糧にじわじわと、盛り返した。
ティショットを左にミスした15番も、160ヤードの2打目を8番アイアンでみごと3メートルに乗せた。
この日2アンダーで回って、2位と2打差つけた。
小平のほかにも、地元期待の優作も背後に迫るが「20代と30代と、40代ぎりぎりと」。今年のプロ日本一決定戦は、各世代がV争いに顔を揃えて、「熱いですね」と我こそが、そのてっぺんに名前を載せて嬉しそう。
反面、もどかしさもちらり。
「僕ももちろん一生懸命にはやりますよ。でも、ツアーを引っ張っていくのは、もう僕ではない。僕はもう、そういう立場ではない。引っ張っていくのは小平とか優作とか、そういう選手」と、厳しい視線を向けたそのとき、リーダーボードが動いた。
谷口の2つ後ろで回っている優作が、17番でボギーを打って一歩後退。
「詰めが甘い」と、言い放つ。
「優作は、大事なところでミスをする。もっとボギーの数を減らさないと」と2週前の中日クラウンズで自分は1打差に敗れた因縁の後輩にも、塩を送った。「攻めたり、引いたりをもっと考えるように」と、エールを送った。
ここ喜瀬は下ったり、上ったり、歩くにもきついコースで、辛い辛いと言いながら、49歳が踏ん張っている。
この日は、すわエージシュートかと、会場を沸かせた70歳のジャンボは「本当に凄い」と尊敬のまなざしで、「僕もボギーを叩かず、こつこつと行く」。残り2日も、目一杯に力を振り絞る。