記事

全英オープン初日

日本勢は8人が出場を果たした今季メジャー第3戦・全英オープンは、14日に初日を迎えて、池田勇太と今平周吾、市原弘大の3人がアンダーパーで回ってきた。
松山英樹は1オーバーと出遅れた。

「今日はみんなが晴天で、風のない中でプレーした。非常におだやかで、変な意味でフェア。全英らしからぬフェアなコンディション」とは池田。「今日は、低く打つとか高く打つとかはいらない。普通にやったほうが疲れない」と、初日の池田は気負いもなかった。

比較的、スコアが出やすい前半は2つのパー5で確実にバーディを奪い、難しいといわれる後半は、7番アイアンで打った14番パー3でピンそばにつけて「最後はおまけ」と68は、2011の全米プロの2ラウンドでもマークした、メジャーでの自身の最少タイスコアで回ってきて軽やかに笑った。

今週は開幕直前に、念願だったリオ五輪の出場も決まって日本代表としての気合いにもあふれている。「ゴルフもハマりつつある。これを自信に明日は明日で切り替えて、頑張ればいい」。

市原は、2度目のメジャーに「スタートは、緊張していた」。独特の空気を力に変えた。「変に刻んだら曲げそう。ドライバーでガンと行こう」とそれにしても、いきなり1番の「まさかワンオン」には逆にたまげて、約8ヤードのイーグルトライを3パットしたが「いつもどおりに丁寧にやって、無理に自分を押さえつけても収集つかない」とひるまず、序盤から攻め続けたという。

3番では奥からのアプローチを「あまりにもミスして“何やってんだろう”と。逆に開き直った」。アジアンツアーやヨーロッパでは、Qスクールに挑戦した経験を生かした。緊張から解放されたら、周りの選手もよく見えた。
「練習場ではデイやスピース。飛ぶのばっか見てて。おっかないな」。世界トップ3の驚異にはさすがにおびえたが、「今日一緒に回った選手は特別、飛ぶわけじゃない。自分もまったく出来なくない。少し手応え」と、肩の力も完全に抜けた。

2アンダーのスタートに、初の予選突破の期待。「でも僕の世界ランキングで簡単に通れるほど甘くない。それより、挑戦者なんで。そればっかり考えて後悔するより、明日も攻め続けられればいい」。

そして、なんといっても初出場の今平の健闘だ。3アンダーはさっそくリーダーボードに名前を載せて「凄い選手もいる中で、嬉しい」と、はにかんだ。
メジャーで最初のバーディは4番。もうひと転がりあれば、イーグルだった。6番は前半2つめのパー5で今度こそ獲った。手前から転がして、ピンまで1メートルにつけた。今度こそチャンスを逃さなかった。

9番では3メートルのバーディパットを沈めて、3アンダーで回ってきた。

「初めてのメジャーはパープレーくらいで回れればと思っていたので。上出来ですね」。難しい後半ではスコアも落とさず、「ショットが曲がらずフェアウェイから打つことが多かった」。
初日は絶好のコンディションを、最大限に生かして貯金を作ってきた。

日本ジュニアでは、松山を破った逸材だ。米国留学中の全米ジュニアでは、ベスト8に入った。場数を踏んだ脱力系の23歳は「意外と緊張もせず、楽にゴルフが出来た」と、気負わず好発進した。

松山は、出遅れた。
「後半、難しいホールが続くと“違うな”とか、いろんな事を自分の中で思い始めてショットが上手く打てなくなった。調整して、あとはパットが入ってくれるのを待つだけ」。日本のエースの2日目の巻き返しなるか。

  • 五輪の日本代表が好発進
  • 市原は緊張も力に変えた
  • 今平はノンプレッシャーの好スタート
  • JGTO若手のホープ今平周吾

関連記事