1番からスタートダッシュに成功した3日目は、最後の最後だけが本当に痛かった。18番は、「終わらないかと思いました」と、冷や汗をぬぐった。迷宮の入り口は、右ラフに入れた2打目。

「ちょっと右に開いてしまった」と、ミスショットは、みごとに木を直撃した。
今度は右の林に迷い込み、しかもボールは深いラフの中。先のラフに出すしか出来ず、4打目も乗せられず、5オン1パットのダブルボギーでやっと、止まった。

せっかく並んで迎えた最終ホールで、ジョーンズに単独の首位を譲った。
最終日を前に2打差を許したが「でもよくあのダボパットを決められた」と、前を向いた。

奥から急な下りの1メートルのフックラインも、けっして容易ではなかった。「あれ入れて、なんとか明日につないだ」と、笑顔で言った。

「明日も諦めない」と、輪厚でのツアー通算2勝目をにらむ。
「明日はハマるゴルフをしないと勝てない」と言い聞かす。
「明日は、とにかくビッグスコアが必要」と大量アンダーの逆転Ｖを目論む。
「ブレンダンは飛んでいますし、調子もいい。まあまあのゴルフじゃ勝てない。明日もう1日頑張ります！」。
強い気持ちで立ち向かう。

• 片岡 大育