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「HEIWA・PGM CHAMPIONSHIP」は11月3日に開幕

左から青木、田中耕太郎・PGMホールディングス㈱代表取締役社長、嶺井勝也・㈱平和代表取締役社長、優作、聖志
大会は今年4回目にして、いよいよ世界のアオキイズムが注入されることになった。11月3日に開幕する「HEIWA・PGM CHAMPIONSHIP」は株式会社平和と、PGMホールディングスと共に、我々日本ゴルフツアー機構が共催に名前を連ねる。

今年、新会長に就任した青木功は、昨年の第3回から会場を移した千葉県の総武カントリークラブ・総武コースで早々から視察を重ねており、距離を91ヤード伸ばして総距離7214ヤードとするなど、「選手たちが、海外に出て行っても対応できるような、そういうコース設定にしたい」と裏方として今から燃えている。この日はちょうど、1ヶ月後に開催を控えた10月3日に「メディアデー」を行い、報道陣を前に熱く語った。

青木によると、同コースを回ったのは1976年以来で「年数が経ってしまうと、どうにも忘れやすくなる」と当時の記憶はほとんど覚えてないとはいえここ地元、千葉で生まれてゴルフを覚えた者としての自負がある。
「ここの気象条件とか、風の吹き方とかは、よく分かっているつもりだ」と、それらを加味して今から着々と、当週のコースセッティングを錬っている。
ラフは、現時点ですでに相当の成長を見せている。グリーンは今後の天候によっても変化するだろうが、今の硬さを保ったまま本戦のときを迎えれば、一筋縄ではいかない。
伝統のコースは丈高い木がうっそうと生い茂り、空中のハザードが風の強さと向きをセパレートして、番手選びや球の弾道や高さの判断など、選手たちにはかなり厳しい条件となるはずだ。
「ボールもクラブも飛ぶようになった今の時代に合った、選手の技術を最大限に引き出すセッティングにしたい。ピン位置にも趣向を凝らす」と青木はプランの一端を明かしたあとに、ぶっちゃけた。「もちろん、当日の気象条件にもよるが、優勝スコアは6から8アンダーの間で考えている」。

青木のこの宣戦布告を、そばで聞いていたのが宮里兄弟。共にPGMホールディングスとサポート契約を結ぶ聖志と優作。
「セッティングについて、いろいろ言う者もいると思うが、私がやる限りは文句は言わせないよ」と冗談交じりにニヤリと青木に目を向けられた2人は苦笑いで返した。

「僕は・・・」とまず聖志。「けっこう文句言います」とお〜っと、さっそく青木にこの場でもの申すのか・・・?! 
緊迫の一瞬。でも、すぐにほどけた。「いや、キャディにですけど」と、笑わせた。「さすがに、青木さんに向かって文句は言えない」と難コースが実は「嫌いじゃない」という聖志は「どの選手にも、条件は同じ」との覚悟で挑む。

弟の優作も、リップサービス混じりの気概を見せた。「青木さんにそう言われると燃えてくる。10アンダーを出して勝ってやろうと思います!」。
今大会がスタートすると同時にPGMホールディングスとサポート契約を結ぶと、その年末に待ちに待ったツアー初Vを飾ってみせた優作。以来、毎年勝ち星を重ねており、主催者への恩義は人一倍だ。

まして、同時に大会では平行してレギュラーツアーの登竜門であるチャレンジトーナメントを毎年、2大会開催。勝者に今大会の出場権を与えたり、独自にジュニアの国際大会を開いて成績優秀者に門戸を開いて有望なアマチュアのさらなる成長を促すなど、まさに「すべての人々に感動を与え、夢のある開かれた日本最大のプロゴルフトーナメント」との大会コンセプトを実践してこられた。

また、大会ではBS朝日とCSゴルフネットワークの中継と合わせて今年もまたインターネット中継を実施したりと、とことんライブ感にこだわる演出がなされる。
「ゴルフ界にとっても本当に、お世話になっているスポンサーです」と開催を前に、改めて謝辞を示した優作だ。

誰より期待に応えたい兄弟だが、弟から遅れること2年。昨年よりサポート契約を結んだ聖志は昨年大会で、思い知ったことがある。
ここ総武は「ただでさえ、難しいのに朝イチのコースで後ろに主催者の方々に立たれると、倍くらい難しくなる」とホストプロだからこその悩みもちらり。「みなさんには気楽にやってとは、言っていただくのですが」とそうはいってもどうにか結果で応えなければ、いつまでも心苦しいままというのが本音である。

優作は、選手会長の今年は先週(トップ杯東海、4位)あたりから、ようやくエンジンが掛かり始めて、「ホストプロとして、しっかり優勝争いに絡めるようにしたい」と、これから大会まで1ヶ月をかけて、ピークに持っていくつもりだ。

「青木さんは、歩くGPSと言われているので」と優作は、青木が今でもラウンドする日は朝起きて、部屋の窓を開けた瞬間に、コースの全体図を俯瞰して、各ホールの風向きを読み切りその時点でほぼ打つ番手と球筋を決めて臨むという実話に改めて目を見張り、「ここはこういう球を打ってこいという、青木さんの要求にも応えられるように頑張りたい」と今から新会長との頭脳戦を心待ちにしている。

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