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小平智は「チャンスがあるんじゃないか」(13日、全英オープン水曜日)
アメリカのジャスティン・レナードは、やはりここスコット・ランドのロイヤルトゥルーンで行われた97年大会のチャンピオン。
そして、ダスティン・ジョンソンはディフェンディングチャンピオン。
「いくつなの?」と気さくに聞かれた。「23歳」と答えた今平を、昨年覇者はどう感じただろう。26歳の小平とともに、若い2人には本番を目前に、貴重な4ホールとなった。
トゥルーンは82年に倉本昌弘が、2打差の4位タイと健闘したコースである。04年には、当時日本ツアーを主戦場にしていたトッド・ハミルトンが、エルスとのプレーオフを制した。
「日本人向きなんじゃないか」とにらんでいた小平は、ジョンソンのゴルフを間近で見てその思いをますます強くした。「飛距離は僕らとそんなに変わらないが、アプローチ、パターの種類が凄くて、小技が生命線。日本の選手が目指すところ」と重なる部分を見つけた。
「ショットメーカーが来るコース」と実感すればするほど、「自分にも、チャンスがあるんじゃないか」と、手応えが湧いてくる。
この日は朝から強い雨の中で、「こんなに寒いのか」と震えながらのプレーも、行ったきりのアウトコースから、クラブハウスに向かって今度は延々と戻ってくるインコースに差し掛かったあたりから、太陽がさして「むちゃくちゃ暑くなってきた」と、半袖になった。
まさに、1日のうちに四季があるリンクスコースの天候に、「うまく対応していければ、上に行けるんじゃないか」と、小平は感じている。
あとは切っても切れない風だ。
123ヤードの距離に対して、小さな面積のグリーンは封筒の端っこの、切手のようという印象から、「ポステージスタンプ(郵便切手)」と命名された8番パー3で、今平はこの日、7番アイアンで打った。「昨日はピッチングウェッジで打ったホール。風によって、3番手くらい変わる」と、状況に応じて番手選びや攻め方を変える適応力も問われる。
「急に吹いたり、晴れたら全然風がないとか、運不運にも対応していけたら」とは小平だ。
「ジョンソン選手もレナード選手も、ドローで左からの風に当てて打ったりしていた」と、今平も2人のプレーから学んだ。
「来る飛行機の中で、ずっと寝ていてたら、着いたって感じで時差ボケもない」(小平)と、2人ともすこぶる元気。
今平も前夜は、日本から持ってきたカレーのレトルトの夕食後に快眠。
「他にもカップラーメンとか、牛丼を持ってきました」といつもどおりに、本戦を目前にしても肩の力は抜けたままだ。