記事

横尾要が大会初制覇

9度目の大会は、8年連続8度目の正直で、ベテランが11年ぶりのガッツポーズを握った。
2017年の「ザ・レジェンド・チャリティプロアマトーナメント」を制したのは、昭和の三羽がらすの一人。

日大時代は片山、宮本に並び称されたツアーは5勝の実力者。
しかし今はシード権も、出場権すら思うがままにならない44歳。
優勝から遠ざかって何年も経つ横尾を励ましてくれたのは、これまた舘ひろしさん。

前日初日に一緒に回った小平は、首位発進をした。
「舘さんが、僕と一緒に回ったら勝てるよと言ってくださった」と、それを信じた。
5番でチップイン。
6番ではイーグルを獲った。
そこから、バーディがぱたりと来なくなった。
16番では痛恨のOBを打ったが、最後の最後に24歳に追いついた!

18番で、7メートルのバーディパットを沈めて今平周吾と並んだ。史上初のプレーオフは、その1ホール目に、3メートルを沈めて11年ぶりの優勝を飾った。
「本当に久しぶり。いつだったか忘れるくらいに」。

2006年のダイヤモンドカップ以来となる“美酒”で、恩人に報いた。
74歳の今大会ホストが演じた“奇跡”を目撃したのは、10歳の時だった。
世界を揺るがした83年のハワイアンオープンは、JGTOのプロフィールにも書いてある。
劇的イーグルで優勝を決めた青木を見てゴルフを始めた横尾。
「青木さんの大会で、勝つことが出来て嬉しい」と、まさにレジェンドの中のレジェンドの目の前でウィニングパットを沈めて、大会初制覇で応えた。

「ツアーではないけれど、錚々たるメンバーだし勝てて嬉しい。これをきっかけに、もう1回レギュラーで頑張る」と、改めて欲も出てきた。

前回のツアー優勝時には、まだ幼稚園だった一人娘ももう中学3年生となり、「女の子は難しい…」と、この「ザ・レジェンド・チャリティプロアマトーナメント」は、何より子どもたちに笑顔を届けるための大会だが、自分の身を振り返れば抱える悩みは、世のお父さんたちと、何ら変わらない。

「…これで娘も少しは変わってくれるかな?」。
プレーオフでは、舘さんが人目もはばからずに大声援を贈ってくれた。パパの勇姿を、紗千さんも見てくれたかな。

関連記事