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タイのガンちゃんが、謎の受賞に「なんで僕?」
参戦2年目の日本ツアーで賞金ランク21位と躍進した今季、思いがけない受賞の栄誉にあずかった。
12月9日に都内で行われた部門別の表彰式で、平均ストロークの表彰を受けることになったが開演前に、スタッフに舞台袖に誘導された時には状況がのみこめずに、目が点に。
「なんで僕??」。
データ一覧ではガンちゃんの順位は2位(1年平均70.12ストローク)。
「表彰されるのは周吾選手でしょ? 僕じゃない」。
確かに、結果だけ見れば69.73ストロークを記録した今平周吾が1位。
ただ、海外初戦の「SMBCシンガポールオープン」で、1ラウンド途中に発熱のため、途中棄権をした今平は規定により表彰対象外となるのだが、そんな説明を聞いてもなかなか納得できない。
「そんなのおかしいです。周吾選手が今年の1番ですよ」と、ガンとして聞き入れなかったガンちゃんだったが、これはどうにもできない決まり事である。
観念(?)して、レッドカーペットを歩いた。
壇上で、カシオ計算機株式会社様より賞金100万円と、副賞の高級腕時計「G−SHOCK MTGーB1000 XBD」を贈られるとともに、パーオン率賞(73.63%)では文句なしの1位でJGTO会長の青木功から、記念のトロフィを受け取った。
初シード入りを果たした今季は7月の全英オープンでメジャーにも初挑戦。
公私ともに変革の1年となった。
5年の交際を経て、今年3月に入籍した6つ年上のコイさんは東京国際大学を出て渋谷の旅行会社に就職、のち日本有数のメガバンクに転職、そのタイ支社で2年勤めたエリート妻だが、結婚を機に退職。
キャディ兼マネージャー兼妻として、転戦を支えてくれたシーズン前半期は8度のトップ10入りを数えるなど、まさに内助の功。
シーズン途中に妊娠が分かってからは、会場に来られない週も増えて「どうしちゃったの?!」。
妻の叱咤に、ちょっぴり中だるみを反省した若夫は来年2月の出産を見据えて、「来年は、もっと稼がなくちゃ!」。
張り切るガンちゃん。
シニアツアーでは、マークセンが4年連続を逃してついに王座を明け渡したが次期、賞金王についたのは、やっぱりタイ選手のウィラチャン。
微笑みの国でも続々と、跡を受け継ぐ選手の列が絶えない。
母国のレジェンドたちの活躍も励みに「来年は最低でも1勝。今以上に努力してアメリカにも挑戦したい」。
来年は良き夫、良き父、良きプロゴルファーとしてガンバル・ガンちゃん。