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選手会便り「選手会長のげんちゃんと、中西直人が赤鼻のクラウンに」4月20日配信
新型コロナウィルスの感染拡大で、中止となった昨年9月の「パナソニックオープン」で使用するはずだった大会グッズや、出場予定だった選手のサイングッズをチャリティーオークションで販売。その売り上げ金96万4700円(発送費や諸経費を除く)を、お届けしてきました。今回はそのご報告です。
「ジャパンゴルフツアー選手会会長の時松隆光(ときまつ・りゅうこう)です。
いつも男子ゴルフに温かなご声援をありがとうございます。
冒頭の写真のように、僕らも赤鼻のクラウン(=ピエロ)に扮し、結構はっちゃけたように写っていますが実際にはこの日、大阪市内にある『日本クリニクラウン協会』で行われた寄贈式は、とても心に沁み入るものでした。
『クリニクラウン』とは、『”病院=クリニック”を訪問する”クラウン=道化師”のこと(同協会HPより)。
長く入院生活を送る子たちの病室を訪問し、一緒に遊んだり、交流を通して笑顔を届け、子どもたちの成長をサポートする活動をされています。
寄贈式では紹介ビデオを見せていただき、実際の活動内容など伺うことができたのですが、明るくけなげに闘病生活を送る子たちのお話など、非常に胸に迫るものがありました。
実は、僕も心臓の壁に穴が開く持病を抱えて生まれ、両親はお医者さんから「息子さんはいつ亡くなってもおかしくない」との宣告を受けました。
4歳時に手術を受けて取り留めましたが、今も数年に一度の定期健診は欠かさず、それだけに、余計に感じるものがあり、こうして好きなゴルフで仕事ができる喜びを、改めて感じさせていただく1日となりました。
今は、コロナで子どもたちに会いに行くのも難しく、なかなか思うような活動ができていないそうですが、オンラインで面会をされたり、いろいろと工夫を凝らして子どもたちに笑顔を届け続けておられます。
寄贈式では今回のチャリティーオークションを主催されたパナソニックさんと、選手会にも感謝状を頂戴しました。僕たちにできることは、微々たるものですが、少しでもお役に立てたのなら本当に嬉しく思います。
この日、僕と一緒に参加してくださった中西さんは普段、とても明るく元気な方なのですが、実は非常に細やかで、気遣いの人です。
2人で赤鼻をつけて写真を撮った時は少し恥ずかしそうにされていましたが、「クラウンになりきって小さい子たちを笑顔にしているスタッフのみなさんは、本当に凄いね」と話し、寄贈後には「誰かを笑顔にする方法はきっと人それぞれ色々あって、僕も僕なりに、皆さんに笑顔を届けられるようなプレーヤーになりたい」と真剣な顔で仰っていて、すごく共感しました。
『日本クリニクラウン協会』の河敬世・理事長様が仰っていたのですが、昨日まで明るく笑っていた子が、翌日に亡くなったという連絡が届いたりするときは本当に悲しいけれど、くよくよしても仕方ない、ニコニコ笑って今を生きることが大切だ、と。
今は特に、コロナのこともあり、つらいこと、しんどいこともありますが、それでも家族と共に健康な生活を送れることが、どれほど幸せなことか。
今週、2年ぶりに兵庫県の有馬ロイヤルゴルフクラブで開催される『関西オープン』は、2018年に優勝させていただいた思い入れの強い試合でもあります
大変なこの時期でも元気で試合をさせていただける喜びをかみしめながら、僕も精一杯、頑張っていこうと思っています」。
ジャパンゴルフツアー選手会
会長 時松隆光