男子ツアーは9月の「フジサンケイクラシック（3ー6日、山梨県・富士桜カントリー倶楽部）」で、約8カ月ぶりの開催が決まった。2020年の新顔にとっても、待望の今季2戦目。

28歳の小西貴紀（こにしたかのり）も、「やっと試合ができます」と、喜ぶ。

昨年末のファイナルQTで日本勢最高の4位に。今季、自身初の本格参戦を実現させた。
「プロ野球でいうならようやく二軍に入れたという感じ。プロゴルフなら、シードが獲れて初めて一軍入りですよね」。
新型コロナウィルスの影響で、統合が決まった20ー21シーズンでの初のレギュラー昇格を目標に、ツアー再開の準備に取り組む。

自身最多の5試合に出場した昨年は、「下手したら、シード選手にクラブで4番手も差をつけられる」と、飛距離不足を痛感。
「平均300ヤード」を目標に、所属コースのジャパンビレッジゴルフ倶楽部（兵庫県）で練習と、週2のトレーニングに励む日々。

プロ9年目を迎えた今も、忘れはしない。
2007年に、ゴルフ中継で目撃した衝撃が、小西の人生を一変させた。
「マンシングウェアオープンKSBカップ」で、まだ”15歳のアマチュア選手”がツアーを制した。
すぐに「遼だ！」と、気が付いた。

石川とは、小学時代にジュニアの試合で優勝を争った。
「あの頃から遼は、すごく上手くて有名人でした」。
9歳からゴルフを始めた小西も、「サッカーや水泳も習いましたが、ゴルフは止まった球を打つのになかなか上手く当たらない。ムキになりました」と、練習に打ち込んだが、中学進学後はいったんクラブを置いていた。

そこに、飛び込んできた石川の快挙。あっという間にトッププロに駆け上がっていった。
その様子に、小西もゴルフへの思いが再燃。
「自分も遼みたいにゴルフで生計を立てる」と、千葉県下のゴルフ場に入社。3年かけて、20歳（12年）でプロテストに合格した。

一昨年の11月には、小西が予選会から出場した「マイナビABCチャンピオンシップ」の最終日に同組ラウンドで、石川と再会。
「久しぶり！」と石川も、自分を覚えていてくれたのは嬉しかったが「遼とは12年ぶりでしたので」と、互いに過ごしてきた時間の隔たりを実感。

「テストで最高点を取れる日もあるけどたまに赤点も取る、というのが今の僕のゴルフ。これから、いかに悪い時の点数を上げていけるか」。
ゴルフの偏差値向上で、エリートに仲間入りして「僕も、出来ればツアーで優勝したい」。
かつてのライバルとの距離を少しでも縮めていく。

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