記事

ゴルフ日本シリーズJTカップ 2020

大槻智春が東京よみうりに思い描く理想のVシーン

©JGTOimages
2日目の3位タイ浮上は、最終ホールの攻略によるところが大きい。屈指のパー3は227ヤードと距離が長い上に、待ち受けるグリーンは凍ったポテトチップスのよう。

長い歴史の中でも数々の悲劇を生んだ。魔の18番で「昨日、今日と気持ちよくティショットが打てている。寒くて、思い通りに打てない中でも2日間、いい感じで打てているのは嬉しかった」。

初日は4Iで手前7メートルにワンオン。2パットのパーで切り抜け、この日は3Iで3メートルにつけるバーディ締め。
「ボギーでしょうがない。パーでも十分なホールで、しかも今日は奥のピンでバーディが獲れた」と、「65」を記録して通算7アンダーまで伸ばした。
「嬉しい」と、コースでは徹底して貫くポーカーフェイスがほんわりと緩んだ。

今年はコロナ措置で出場資格などが変更されたが、「毎年この30人に入りたくて頑張りますので、その中で、この試合に優勝したいとずっと思ってます」。

ここで数々繰り広げられたドラマの中でも、大槻の記憶に新しいのは2018年。

日大後輩の堀川未来夢が勝った小平や石川、黄重坤(ハンジュンゴン)らと、かの最終ホールを首位タイで迎えながら、3パットのダブルボギーに倒れた場面。結局、5位タイまで落ちた。

「あの時、未来夢(みくむ)が18番グリーンで、膝から崩れ落ちて…。あれは、今も心に残ってます」。
大会を象徴する無情なドラマのひとつとして思い出されるが、「僕はぜひ、勝ってあのグリーンに崩れ落ちてみたい」。
最終日こそ、攻略の証しを名物ホールに刻みたい。

関連記事