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げんちゃん通信 × 僕らのツアー選手権

来年、また見に来てね©JGTOimages
今年の最強ツアー選手を決定する先週の、5年シードの日本タイトル戦「日本ゴルフツアー選手権 森ビルカップ Shishido Hills」も来年度に順延。
選手や関係者が話題にする際は短く縮めて「ツアー選手権」とか「選手権」と呼ぶ。開催週に、改めて大会に賭ける思いを問いかけてきたシリーズ「僕らのツアー選手権」。
最終回は、選手会長のげんちゃんこと時松隆光(ときまつりゅうこう)がつれづれに語る「げんちゃん通信」とのコラボレーションで「僕らの1週間」を締めくくります。

「こんにちは。ジャパンゴルフツアー選手会長の時松隆光です。
ツアー選手の一番を決める今年の『日本ゴルフツアー選手権 森ビルカップ Shishido Hills』は6月7日に、最終日を終えているところでした。

試合が順延となってしまったかわりに開催週に、スポンサーの皆さまや、青木会長はじめ、歴代覇者の皆さんに、大会にかける熱い思いを語っていただきましたが、あいにく僕はまだ『選手権』での優勝はありません。

ツアー選手として活躍する誰もが譲れないと思う、このビッグタイトルに、僕がもっとも近づけたと思うのが2018年でした。

最終日は、3打差のトップでスタート。1番から3連続バーディを奪い、幸先はよかったですが、それが宍戸の怖ろしいところです。たとえ序盤でリードしても、魔の上りホールが待っています。特に、池越えの17番(481ヤード、パー4)の難しさは別格で、案の定ボギー。
市原弘大さんと並んで入った18番でもまたボギーを打って、最終ホールでひっくり返されてしまいました。

それまでのツアー3勝の中では、初優勝した16年の『ダンロップ・スリクソン福島オープン』も逃げ切る形でしたがあの時は経験ゼロ。
怖いもの知らずでいけたので、まだよかったと思いますけど、『選手権』は5年シードがかかっていますし、タフな条件の中で、リードを守り続けて勝つことの難しさと、タイトルの重さを痛感させられたのが、2018年大会でした。

加えて今年は選手会長という責任も加わり、予定どおりに開催できていましたら、けっこうなプレッシャーがかかっていただろう、と想像できます。

歴代覇者の皆さんと、まだ勝てていない僕とでは、意味合いが全然違ってくるとは思いますが、あえて言うなら僕にとっての『選手権』は、『選手としても、選手会長としても重い大会』と、表現するのが一番ぴったりとくるでしょうか。

今年は、2年前に逃した”日本タイトル”を獲るという目標のほかに、選手会長として、さらに大会を良くしていきたいという思いもありました。

たとえば、今年は観戦ロープをもっとフェアウェイやグリーン寄りに近づけたり、危険な傾斜や崖にあった歩行路も、出来るだけ平坦な場所に設置しなおしたりと、よりギャラリーの方々に楽しく安全に、見ていただきやすくできれば、などと考えていました。

その分、打球事故の危険は高まりますので、もちろん安全は第一に。関係者や選手、キャディの皆さんにも今まで以上の協力をお願いをして、と自分なりに、いろいろと考えていましたので改めて、大会の順延はとても残念でした。

選手としての目標も、選手会長としての課題や施策も来年大会に持ち越しですが、コロナの影響が収束して、トーナメントが再開されたときに『男子ゴルフも変わったね』と、少しでも皆さんに思っていただけたら嬉しい。
試合ができない分、いまはそのためのチャンスを与えられたと思ってファンの皆さまにもっともっと楽しんでいただけるよう、これからも、選手一丸となって頑張っていきます。
来年こそ『僕らのツアー選手権』を、見にいらしてください。
選手、スタッフ一同、また宍戸でお会いできる日を、心から楽しみにしています」(時松隆光)
  • 2年前の最終日は幸先よくスタートしたつもりでしたが…
  • 2018年は、弘大(こうだい)さんに完敗でした…
  • 石川遼さんが選手会長時に始められたプレー後のヒーローインタビューにも、また挑戦してみたいです

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