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HEIWA・PGM CHAMPIONSHIP 2019
虎つながりでウッズにも奮起。踊る虎さん、歓喜のV3
1差の単独首位で迎えた最終日は風が止み、穏やかに広がる沖縄の青空。「1ストロークの戦いになる」。昨年の若き賞金王との一騎打ちに「朝は緊張していた」と、ナーバスな幕開け。4番で早々に並ばれた。
8番ではついに逆転を許して、「今日5つは獲らないと、勝てない」と、腹を据えた。
11番のバーディで、再び首位を奪い返して右足立ち、左足立ちと身軽に、ほいほいっと体をひるがえして歓喜のステップ。
46歳だが「年齢は考えない。ゴルフへの情熱は、若い選手の何倍も強い」。
それでも春先に、いつも出遅れてしまうのはひどい花粉症のせいだ。
今年は疲れも重なった。
昨季、世界中に拡散したユニークなスイングと、愉快なパフォーマンスに各国ツアーからオファーが殺到。
推薦でペブルビーチプロアマなど米3戦と、欧州1戦に挑戦。3月には、ケニアのナイロビにも遠征した。
長時間の移動で腰などを痛めて前半期は予選落ちと棄権を3回ずつ重ねたが、「向こうの選手の集中力と練習量には驚いた。自分ももっと頑張らないと」。
奮起にさらに拍車をかけたのは、”虎つながり”のウッズの活躍だ。
先月の「ZOZOチャンピオンシップ」で、歴代最多に並ぶ82勝に感動。「やはりレジェンドですね」。
韓国の虎も負けられない。
前夜、シャワーを浴びるついでに、単独首位に立ったその日、着用した南国柄のシャツをジャブジャブ洗濯。
「明日も良いスコアで回れますように」。ゲンを担いで、最終日も同じウェアで臨んだ。
晴れ渡る沖縄の海には、故郷を重ねた。
生まれ育った港湾都市、浦項(ポハン)の実家は海岸線から30メートルと離れておらず、「風が吹くとすぐそこまで波が来て、子どものころはよく、玄関まで流れ込んだ砂を手でかき出したりしたものです」。
昨年11月にツアー2勝目を飾ったカシオワールドオープンも、美しい海を眺めるコースで「海には愛着がある」という。
19歳まで住んだ懐かしい海沿いの生家には、病床で吉報を待つ父。
「父親のトンマンは81歳になりますが、健康状態がよくない。なんとか優勝していい報告がしたかった」。
今平とタイで迎えた17番で、5メートルをねじ込んだ。
46歳が、若き賞金1位をそのまま2差で振りちぎった。
海の向こうのふる郷にも見えるよう、両腕で特大のガッツポーズを作った虎さん。
この1勝で、シーズン最終戦「ゴルフ日本シリーズJTカップ」の出場権を、今年も手にして「選手として非常に光栄。今年も最後まで頑張ります」。
韓国のタイガースター(虎星)はまだまだ踊る、輝き続ける。