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くじけない! 中里光之介は「この状況もポジティブに」
「試合への移動が疲れ知らずだったおかげで、プロになってから、一番賞金を稼ぐことができました」というように、転戦の何より大きな助けとなってくれたのが、愛車のフォルクスワーゲン「アルテオン」だ。
憧れのドイツ高級自動車メーカーのサポートを受けるようになって2年目。
「今年も快適な移動で、目標であるシード権の獲得に向けてがんばります」と、意気込んだ矢先の今年のコロナ禍だった。
今季主戦場の「AbemaTVツアー」は今週、開催予定だった「太平洋クラブチャレンジトーナメント(太平洋クラブ 江南コース)」を含めて、開幕から8試合の中止や延期が決まっており「試合のモチベーションが、欲しいですけどそれもまだ持てなくて。淡々と過ごしている感じ。くじかれた、という思いはあります」。
いまだ開幕のめどは立たず、じれる思いをこらえて「準備だけはしておく」と、”おうちトレ”や3密を避けた練習など工夫を凝らして来たるべき時に備える。
5月24日には励みになるニュースも目にした。
昨年から、やはり同社のサポート選手として、中里と共に転戦していた5つ下の小斉平優平(こさいひらゆうわ)が、今季から主戦場とする米二部ツアーの再開に合わせてこのほど渡米を決意。日本を発った。
中里も、同じ年の頃にアジアンツアーを転戦した経験があり、「海外でのプレーは精神的にもしんどい部分があり、今この時期の渡米はなおさらだと思う。それでも行こうと決めた彼はすごい」と、刺激に。
「僕も早く試合がしたい。今はできることは限られますけれど、逆にこの状況をポジティブに、自分がフォーカスする部分に時間を注ぎ込んでいければいいのかな」。
フォルクスワーゲン グループ ジャパン株式会社によると「新型コロナウィルス感染拡大防止のため、ツアーが中止になり、練習環境の確保が困難な状況で奮闘する選手たちを応援するために…」と、中里と小斉平のほかに、今年は今季初シードの中西直人や亀代順哉、中井学など、今後の飛躍に期待がかかる3選手も、新たにサポート選手に加わった。
契約の継続が決まった中里も改めて、「今年も本当にありがたいお話をいただくことができました」と感謝する。
窮屈な自粛生活も、強力アシストを背に真っ赤な相棒と前を向く。