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カシオワールドオープンゴルフトーナメント 2019

小林伸太郎が今季初の決勝ラウンドで示す成長の跡

まさに大逆転のシード復活を目指す小林伸太郎が、2日目も67を並べて通算10アンダーで首位と2打差の単独首位に立った。

前日の大雨からすっきりとした晴れ間が戻ったコースで、序盤から、一気に上昇の契機をつかんだ。

この日は、ティが前に出された2番のパー3は、実測175ヤード。奥のピンに対して7Iで攻めて、ピン右4メートルに。
このチャンスを沈めて、弾みがついた。
そこから、たて続けにピンに絡めて4連続バーディで、波に乗った。

プロ8年目の16年に、やっと得た初シードもすぐ翌年に手放し、それから苦節3年。
今年はレギュラー二部の「AbemaTVツアー」で、自身のゴルフを再構築した。
「コーチと掲げた目標が、1回すべてを見直してみよう、ということ。今までのこだわりを見直して、本当に必要なことにチャレンジしてみた」という。

幸いにもレギュラーツアーでシード権争いに奔走していたころにはなかった時間の余裕もあった。
「毎週、試合があると、取り組む時間がないが、今年はクラブやスイングに、時間をかけることができた。突貫工事じゃない分、しっかりとしたものができた」という。

今年は、AbemaTVツアーの「石川遼 everyone PROJECT Challenge」で、アマの杉原大河さんにプレーオフで敗れて「次の日に、ヘルペスができた」というほどの悔しさも味わったが、それもひとつの良い経験。

「遠回りではない。時間をかけて、成長することができたと思う。色んな角度から、ゴルフを見ることよって後退することなく、進化ができた。今はシードを持っていたころよりゴルフが上手いと断言できる」。
その真価を示すチャンス到来だ。

7月のセガサミーカップで、今季初出場も予選落ち。
それから今週までレギュラーツアーは出番がなく、獲得賞金はまだ0円。ランキングもついていない。

主催者推薦を受けて、今季2勝目が実現した今大会で、やっと今季初の予選通過を果たして、初賞金は約束されたが「1打に一生懸命だから、お金のことを考える余裕がないし、それが成功している」。
まさに無欲の一発大逆転はあるか。

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