名称を新たにするたび洗練し、進化を続けるコースの変遷を、もっとも知るひとりといっていい。
前回覇者の小林伸太郎(こばやし・しんたろう)は、車で15分の群馬県高崎市出身。
前回優勝時も再三、話してくれたが、ゴルフを始めた10歳時から練習させてもらってきたコースだ。
本大会は、現存のトーナメントとしては唯一のポイント制だが、「僕の場合はゲーム方式の有利性と、コースの有利性でいったら、後者のほうがより強い」と、改めて地の利を挙げる。
一昨年大会後に丸1年かけて取り組まれてきた大胆なコース改良後の初プレーは今年3月。
所属先「栃木ミサワホーム」のコンペ会場としてお借りしたそうだが、「3ホール消化したところで大雪が降りまして」。
即クローズで、その日は中止となったが、またすぐ予備日で貸してくださった。
「新しくなってから、さらに予約が取れにくくなってるんです。ありがたかった」と、感謝する。
バンカーの位置や、グリーンの状態、パー設定や、距離立てなど改良後の変更点は数えきれないくらいある。
「冬場と芝も違うので。ラフに入れたときのペナルティは一段と高くなっている。戦略性も上がったが、それに順応するのが今年の課題」と、新生コースで連覇をにらむ。
完全会員制となり、さらに一段階上のクラブライフを目指して会員専用のラグジュアリーなワインセラーが完成するなど、クラブハウスやホテル棟の改良もますます進むが、設立当初を知る小林にはなんといっても年々、増すレストランメニューの完成度。
「ほんと、何を食べてもめちゃくちゃおいしくて」。
選手間では、トリュフの香りの塩ラーメンが人気だが、「僕はやっぱりソースかつ丼!」。
地元プロとして、ご当地グルメは外せない。
2年ぶりの開催でも、また地元の大応援団が駆けつけてくださる予定だ。
今年は連覇の重圧もかかるが「それを力に変えて戦ってほしい」と、激励してくださったのは、今年もまた開催前に表敬訪問した岩井均・安中市長。
「今年もまたみなさんに喜んでいただけるプレーを」。
気負わず期待に応える。
ちなみに、前回の最終日は「あんなか祭り」に合わせて優勝。
地元の秋祭りをいっそう、盛り上げた。
季節が変わる今年は、安中マラソンと、榛名山(はるなさん)ヒルクライム大会と日程が重なるそうだ。
本大会も加えて、周辺道路は渋滞必至。
「毎日実家から通うんですけど土曜日だけは宿をとります」。
今年も勝手知ったるV争いといきたい。